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┏━━ メルマガ第22回━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

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★1.【巻頭】~委員長のひとりごと~(上村英明)

 81日~3日、平和や民主主義に関心のある大学院で共催するサマー・スクールに参加し、韓国の東海岸に近い非武装地帯を訪れた。会場は、農民運動を続けてきたグループが設立した「平和と生命の村」という施設だ。38度線に沿って設けられた非武装地帯(DMZ)の一帯は、いわゆる朝鮮戦争の激戦地でもある。ある丘は、停戦協定間際の1週間に85回も占領軍が代わったという。そうした多くの生命が失われた地域で、改めて生命と平和の大切さ、生命と生命の自然の中でのつながりを考えるために、12ヘクタールの有機農業の畑の中に学習施設が作られている。

 ソウルとは違って、緑に囲まれセミの声がうるさく、にわとりが走り回る場所だが、朝、パン、パン、パンという乾いた銃声で目を覚ました。DMZの周辺は、その言葉とは逆に極度に軍事化された地域である。銃声の正体は、韓国軍の朝の射撃訓練であったが、周辺には60万韓国軍の主力が駐屯し、トーチカと守備兵、戦車師団の訓練場、地雷原を示す赤い旗などがいろいろなところに見える。そして、北の山々を越えると110万と言われる北朝鮮軍の主力が対峙している。2013年のサマー・スクールのテーマ「ナショナリズムと国境紛争」の下、台湾の大学からの参加者とは尖閣諸島問題とともに、中国との国境に位置する金門島の状況などについても意見交換も行った。

 一般に、1990年代後半をもって、「冷戦」はめでたく消失した。確かにソウルの街では、中国人もロシア人も見ることができる。しかし、一方で「冷戦構造」は決して崩壊していない。DMZの現実は、改めて東アジアに現存する「冷戦構造」の現実の一部に他ならない。日本の市民社会はこれをどう考えるだろうか。

 

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 目 次

★1.【巻頭】 ~委員長のひとりごと~     (上村 英明)

★2.【SJF  News】

 ・8月開催アドボカシーカフェ予告

 ・第2回助成公募について

 ・7・8月開催アドボカシーカフェ報告

★3.【わたしはこんな風に考える】  「慰安婦問題とアジア女性基金」 (轟木 洋子)

★4.【今月の言葉】 「介護保険住所地特例」  (辻 利夫)

★5.【コレに注目】「ブラック企業4000社の実態調査へ 厚労省、9月から」(黒田 かをり)

★6.【コレを読まなきゃ】 『原発論議はなぜ不毛なのか』武田徹 (上村 英明)

★7.【運営委員の近況】 (平野 光隆)

★8.【事務局だより】 ~アドボカシーカフェ参加者の声より~

委員長のひとりごと以外のコラムは、毎回委員が交代で執筆します。

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★2.【SJF  News】

 ●8月開催アドボカシーカフェ予告

 ●SJF第2回助成公募と“発表フォーラム”

 ●7・8月開催アドボカシーカフェ報告

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●8月開催のイベント予告

―――8月31日(土)開催 【アドボカシーカフェ第18回】 お申込み受付中!

   『セクシャル・マイノリティから見た、日本の「新しい」家族と生活

 ~セクシャル・マイノリティのことを知り、誰もが生きやすい社会を目指して 第3回~』  

 ゲスト: 加澤 世子 さん(NPO法人レインボーコミュニティーcoLLabo理事)

      吉岡 利代 さん(NPO法人ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表代理)

 コメンテーター: 島田 暁 さん(「レインボー・アクション」代表、映像作家) 

 モデレーター: 樋口 蓉子 (SJF運営委員)

 @早稲田奉仕園 6ABC会議室、  13:30-16:30(受付開始13:15)

 詳細は; http://socialjustice.jp/p/20130831/

 お申込みは; https://socialjustice.jp/20130831.html

 

●SJF第2回助成公募と“発表フォーラム”

 SJFでは、昨年度に引き続き、社会を変える市民のアドボカシ-活動への助成を目的に、7月31日まで助成先を公募いたしました。3つのテーマ;「若者の貧困問題」「原発事故による被害者支援」「見逃されがちだが、大切な問題に対する取り組み」に関するアドボカシ―活動について、それぞれ上限100万円にて助成公募をいたしました。ご応募ありがとうございました。

 現在、選考を進めており、その結果は、10月19日(土)午後、都内にて開催します“発表フォーラム”にて公開する予定です。開催の詳細が決まりましたらご案内いたします。多くの方のご参加をお待ちいたしております。

 

●7・8月開催のイベント報告

―――7月18日(木)開催 【アドボカシーカフェ第16回】

 『~福島・市民社会・国連をつなぐ 第2回 ~ 原発事故をめぐる「健康に対する権利」、国連人権理事会勧告を考える

 ゲスト: 伊藤 和子さん

 (国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長、弁護士)

 コメンテーター: 三木 由希子さん

 (NPO法人 情報公開クリアリングハウス 理事長)

    @文京シビックセンター 18:30~21:00

 当日の様子は; http://socialjustice.jp/p/20130718report/

 

―――8月2日(金)開催 【アドボカシーカフェ第17回】

 『原発事故は、どのように報道されたのか

 ゲスト: 山田健太さん

 (専修大学人文・ジャーナリズム学科教授。専門は言論法、ジャーナリズム論。

  近著に、『3.11とメディア』トランスビューなど多数。)

 コメンテーター: 竹内 謙さん

 (朝日新聞にて政治部編集委員―地球環境問題担当など歴任の後、

  鎌倉市長に2期就任。日本インターネット報道協会代表幹事。)

     @文京シビックセンター 18:30~21:00

 当日の様子は; http://socialjustice.jp/p/20130802report/

 

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★3.【わたしはこんな風に考える】 「慰安婦問題とアジア女性基金」 (轟木 洋子)

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 このコーナー執筆にあたり、前回執筆者の辻氏より「韓国はなぜ慰安婦問題にこだわるのか」という難しいお題をいただいた。しかし、ちょうどその翌日の8月4日、朝日新聞に「日本政府の元慰安婦支援、今も。NPOが訪問ケア、薬や現金贈る」の記事(石橋英昭記者)が掲載され、興味深いので少々こちらにシフトして書くことをお許しいただきたい。

 記事は、20073月に「()アジア女性基金」が解散した後も、元基金関係者がNPO法人を設立して、韓国の協力者とともに地道な支援を継続してきたが、この詳細はほとんど公にされてこなかったというもの。NPOは、外務省から「控えめに粛々と進めて」と指示されてきたとのことだ。そのNPO代表は「孤独の中にいる当事者が何を望むかが基本。政府は韓国政府に認知と協力を求め、(支援の)対象者を増やせるようにしてほしい。その上でこの事業を口実にせず、早く問題解決の取り組むべきだ」と述べている。

 もう多くの若い方々は知らない歴史となりつつあるが、日本政府は1995年の村山政権下に「()アジア女性基金」を設立した。戦後50年を経てからやっとできた元慰安婦への償いをするための基金であった。この背景には自民党の宮沢喜一、河野洋平、社会党の村山富市、五十嵐広三など、党派を超えた良識ある政治家達たちが、党内を含めた身を削るギリギリの調整努力を行った経緯がある。それにも関わらず、右翼や自民党右派のみならず、社会党、共産党、知識人、さらには慰安婦問題に取り組んできた運動団体からも猛烈な反発があったことを鮮明に記憶している。右翼や自民党右派の反発の理由には触れる必要もないだろうが、いわゆる左派側の反発の理由は、「財団法人という民間団体がやることがけしからん。国家で補償すべきである」というものだった。そうした反発の中にあっても、発足後すぐに基金は当時の橋本龍太郎首相のお詫びの手紙と「償い金」を送るとともに、福祉事業を地道に進めてきた。橋本首相の手紙の内容は、

 「いわゆる従軍慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題でございました。私は、日本国の内閣総理大臣として改めて、いわゆる従軍慰安婦として幾多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを申し上げます。」

 というものであった。基金設立が発表されると、1年もたたないうちに6億円もの寄付が一般の方々から寄せられたという。それも、企業からはではなく、ほとんどが個人からの寄附だったそうだ。おそらくその中には、戦争中の自らの過去を詫びる思いから寄せられたものも少なくなかったであろう。そうした贖罪の気持ちを持って残りの人生を生きていかざるを得ない日本人が多くいることも戦争の悲劇である。

 さて、この基金の設立に至るまでには、上述のように自民党内からも相当な反発があった訳だが、その中心人物の一人が現在の安倍晋三首相である。彼は今も、宮沢談話、河野談話、村山談話を否定しているようである。そして、この事実は日本人よりも韓国や台湾など、自国の女性を慰安婦とされた国の人々はよく知っている。被害を受けた側が、見せかけではない加害側の「真」の反省を求めるのは当然である。そして現在、その安倍政権下で彼が率いる自民党が圧勝した日本、また選挙戦直前の橋下大阪市長の発言から、韓国が慰安婦問題にこだわるのは当然と思う。

 2013年の今、痛烈に感じることは、なぜアジア女性基金を1995年当時、いわゆるリベラル派知識人と言われた人達が支援しなかったのかということだ。もし、この基金を多くの良識ある日本人が支え、国や政府という制度や概念を超えて、日本民族に属するたくさんの市民が基金を支援し、そのことで謝罪の気持ちを示すことができていれば、状況は違っていたかもしれないと思うのだ。

 

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★4.【今月の言葉】  「介護保険住所地特例」  (辻 利夫)

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 20093月、死者10名を出した老人ホームたまゆらの火災事故を覚えているだろうか。この群馬県渋川市の未届け有料老人ホームの火災で亡くなった10名のうち、6名が東京・墨田区で、1名が三鷹市で生活保護を受けていた高齢者だった。墨田区では、介護度の高い高齢者が年々増えるなかで、その受け皿となる特別養護老人ホームなど福祉施設の整備が大きく遅れ、所得の低い要介護の高齢者に周辺の県などに立地する安価な老人ホームを紹介し、送り込んでいた。たまゆらの入所者22人のうち実に15人が墨田区の住民である。こうした行き場のない高齢者を都外の施設に送り込む状況は今も続いており、墨田区だけでなく多かれ少なかれ23区に共通している。

 一方の要介護の高齢者を送り込まれた施設の地元の市町村はどうしているのか。介護保険では住所を異動した場合、通常は異動に伴い保険者が移動先の市町村に変更されるため、介護保険給付が増大して、多大の財政負担となる。これを防ぐために設けられたのが、介護保険住所地特例制度である。施設へ入所・入居することにより住所を異動した場合、保険者を変更せず、送り込んだ元の区市町村が介護保険給付を継続するのだ。たまゆらもこの特例を活用した。

 住所地特例の対象施設は、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム(介護付き)、軽費老人ホーム(ケアハウス)など介護保険施設だ。これに加え、いま全国各地に急増しているサービス付き高齢者向け住宅が一定の要件を満たせば対象となる。東京などの送り込む自治体からすれば、受け皿が増えることは歓迎すべきことかもしれない。しかし、お金を払って他の市町村に介護の肩代わりをしてもらうという問題の先送り策は、今後、高齢化がさらに加速するなかで行き詰まる可能性が高い。福祉は住宅に始まるといわれるが、日本の高齢者福祉における住宅についての構造的な問題が、住所地特例という介護保険制度の例外的規定を生み出しているのだ。

 

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★5.【コレに注目】 「ブラック企業4000社の実態調査へ 厚労省、9月から」

2013/8/8 日経新聞   (黒田 かをり)

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 日本のブラック企業は世界的に関心を集めているそうだ。

 長時間労働、パワハラなど労働環境が悪い企業を「ブラック企業」と呼ぶようになったのは2008年ごろからか。元々は反社会的勢力との結びつきが強いフロント企業を指す隠語だったということだが、タイトルにある「ブラック企業」は欧米で「スウェットショップ」とほぼ同じような意味で使われているのであろう。今では、この言葉は日本社会にすっかり定着し、ブラック企業大賞なる不名誉な賞も登場している。

 長時間労働、サービス残業などの労働問題は以前からあったものばかりだ。そういうことが「ブラック企業」とネーミングされることで、一気に顕在化した。言葉の持つ力は大きい。

 筆者は、ここ数年、企業の社会的責任(CSR)に注目してきている。最近では、CSRにおいても人権課題が大きなテーマとなっている。日本では、CSRはどちらかというと、コンプライアンス(法の遵守)に加えて環境への取り組みと社会貢献事業という捉え方をされて、労働と切り離して考えられて来た。たとえば、CSRで高い評価を受けている企業が人権配慮を十分にせずに雇い止めなどをおこなってきた、といったケースも実はそんなにめずらしくない。

 2011年に、国連人権理事会は、「企業と人権」に関する指導原則を採択した。この指導原則は、企業の人権方針、OECD多国籍企業ガイドライン、ISO26000(社会的責任の規格)などに大きな影響を及ぼしている。多くの企業はこの指導原則に則り、自社の人権への取り組みの見直しを始めている。しかしながら、人権課題を自社や取引先、サプライチェーンにおける労働慣行のなかにしっかりと位置づけている企業はまだそれほど多くない。

 今回の厚生労働省にはしっかりと調査をしてもらいたい。ブラック企業が社会的問題と位置づけられたことを歓迎し、こういう機会に、職場での働き方や、人権というものを再考する企業が増えること期待する。

 最後に「ブラック職場」は企業だけの話ではない。大学、行政、非営利組織なども、労働慣行や、従業員/職員の権利について真剣に取り組むべき時が来ていると思う。

 

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★  6.【コレを読まなきゃ】『原発論議はなぜ不毛なのか』
武田徹 中央公論新社
 2013  (上村 英明) 

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 著者の武田徹は、評者の大学の同僚である。その武田が、2011年の3.11後に発表した論考を一冊にまとめたものが本書である。彼とは、その3.11以来、原発事故をどう捉えるかという点で意見交換をしてきたが、異なる意見も少なくなかった。評者の視点からすれば、「原子力ムラ」と呼ばれる原発推進の権力構造に対する批判が弱く、反原発運動のもつ問題点の紹介がややバランスを欠いている。

 こうした著者の視点から書かれた本だが、読むべき価値はある。例えば、原発反対は、エネルギー論や反権力論から語られることが多いが、これら一点からの批判でよいのだろうか。これだけの原発が増設された背景には、高度経済成長以来の都市と地方の格差拡大がある。地方が疲弊していたが故に、原発は甘言をもって貧しい地方に押し付けられたのだ。だとすれば、都市と地方の格差の問題に同時に踏み込む反原発論でなければ、問題の本質を突いたことにはならない。権力によって作られた構造とはいえ、都市も地方も庶民はその権力構造の中にからめ取られている。それを無視して、権力を一刀両断に断罪することは庶民を考慮せずに断罪する結果となる。なぜ、ヒロシマ、ナガサキを経験した日本が、反原発という政治選択をできなかったのか、こうした本質的な視点から考えなおしてみるには、ひとつの「良書」と言えるだろう。

 

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★  7.【運営委員の近況】                              (平野 光隆)

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 7月から8月は夏休みなので仕事をしない、と思っていたのにスケジュールを見直すと意外に予定が入っていた。

 毎週末は青葉台の田んぼや小川町の田んぼの草取り、小川町の畑と週末農家という感じでその間を縫ってOxfam、Change.org、シャプラニール、ピース・ウィンズ・ジャパンなどのNGOと打合せをした。その他の主な活動は以下の通り。

 7月1日 『緊急院内集会:国連勧告「従う義務なし」に異議あり!国際人権基準に背を向ける国・日本』に参加。

 7月3日 国際開発学会社会連携委員会のソーシャルビジネスをテーマにしたシンポジウムにコメンテーターとして参加。初めてのコメンテーター役で、大変さを知る。今まではプレゼンは作らなくて良くて楽だなあと思っていた自分に反省。

 7月4日 JICAにて「ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動」観賞会参加。虐殺や児童拉致という逆境にも関わらずダンス大会に挑む子どもたちを描いたドキュメンタリー。肉親を虐殺されたり、兄弟で拉致されて反政府武装組織の兵士に育てられたりするという実態を見て、会場にはすすり泣きの声も。是非見るべき映画です。

 7月17日 東京外語大の先生とモザンビークのプロサバンナ問題について意見交換。

 7月19日 東洋大学で「ソーシャルビジネスと内発的発展」に参加した後、ソーシャル・ジャスティス基金の運営委員会。

 7月23日 FoE主催「強制される帰還の現実」参加。

 7月25日 モノづくり日本会議の「再生可能エネルギー最前線」に参加。

 7月26日 ロハス・ビジネス・アライアンスのLBAフォーラム『ソーシャルビジネスを「経営」する』に誘われ、参加。意見を言って貰いますよと言われていたものの指名されたのは僕だけで、ちょっと恥ずかしかった。

 

 こんな中で、いくつか印象に残った事があった。

 一つは国際開発学会のシンポジウムに出て来た企業の人がソーシャルビジネスについて語った内容について終わった後に賛否両論が寄せられた事。この一ヶ月は結構そういう人達から意見を聴く機会があった。

 もう一つは7月末に政府系の助成金の説明会に参加した時の事。中小企業対象の助成金で、取引先に誘われて参加したのだが、説明会の中で担当の人が「報告書作成や精算などをちゃんとやって頂くために、応募には必ずコンサルタントと組んで下さい。」と強調していたこと。何か変な話だなと思っていたら、終わった後に色々な企業が「コンサルタントと組みたくない」と言っていた。ソーシャルビジネスの業界を席巻しているコンサルに対する不信感がこうまで企業側で高まっているのに、応募を受ける側は自分たちの監督官庁に対する報告書の為にコンサルと組まないと応募させないという理屈にちょっと驚いた。

 三つ目は8月11日に『日本軍「慰安婦」に関するシンポジウム』に参加した時の事。シンポジウムには元国連事務総長も参加し、フィリピンからは慰安婦の当事者が参加して涙ながらに当時の惨状を訴え、韓国からも支援者の会の人が日本政府の姿勢を非難した。会場はほぼ満席で韓国のSBSの取材のカメラも入っており、『8月14日の日本軍「慰安婦」メモリアルデーを国連記念日に』というメッセージが大書された看板の下で、様々な意見が出された。こう書くと会場は韓国の人ばかりだったのでは?と言う人が居るかもしれないが、私が見る限りほとんどは日本人であった。それは韓国の支援者の講演で韓国語の通訳が通訳し終えないと意味が分からない人がほとんどだった事からも窺える。また実行委員会も日本人という、日本人による日本人に向けた「慰安婦」問題のシンポジウムであった。

 私は知らなかったのだが、去年の12月に第11回アジア連帯会議では既に8月14日を『日本軍「慰安婦」メモリアルデー』とする事は決まっていたとの事。今回はこれを更に国連記念日にしようという動きだ。

 シンポジウムに日本のマスコミがどの程度取材に訪れていたかは分からないが、少なくともこういったシンポジウムが開かれている事、海外からも被害者が参加していた事、国連記念日にしようという動きが日本人の手で行われている事、国連からの勧告に従わないばかりか、今の首相をはじめとする政府が、「証拠がない」として過去の政府の謝罪の姿勢さえも変えようとしている事等ほとんど正しく報道されていないのではないか?

 私は韓国の運動の模様を収めたビデオの中に出て来た言葉が忘れられない。

 それは “DENY HISTORY = DENY JUSTICE” というものだった。

 

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★8.【事務局だより】 ~アドボカシーカフェ参加者の声より~

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 「グループの議論の中で、各自の課題や思い、意識が整理されるプロセスが経験でき大変良かった。」(2013/5/28参加者)、「背景も職業も年齢も違う方々と話し合えて有意義でした。」(2013/6/19)、「多様な運動がソーシャル・ジャスティスという価値で出会えることに感謝します。」(2013/6/22)、「今回初めて参加しました。こんなに福島の事を考えてくれる人がいるのだと思いました。」(2013/7/18)、「メディアに対して、暗いイメージではなく、未来のある明るいイメージを抱くことができた。もっとメディアと近い接触をしたいと思う。友人に対するように。」(2013/8/2)・・・。

 産みの苦しみを味わっている至らない事務局ですが、皆さまの声に励まされ、新たな気持ちで歩む日々です。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

  

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運営委員のプロフィール

  • ●  村 英明 運営委員長(恵泉女学園大学教授、市民外交センター代表)
  • ●  黒田 かをり 副運営委員長(一般財団法人CSOネットワーク 常務理事・事務局長)
  • ●  轟木 洋子 副運営委員長((財)ジョン万次郎ホイットフィールド記念国際草の根交流センター事務局長)
  • ●  伊集院 尚子(株式会社アスラン代表取締役)
  • ●  大河内 秀人(江戸川子どもおんぶず代表、NPO法人パレスチナ子どものキャンペーン常務理事ほか)
  • ●  辻 利夫(NPOまちぽっと事務局長)
  • ●  土屋 真美子(NPO法人アクションポート横浜理事、NPOまちぽっと理事)
  • ●  樋口 蓉子(草の根市民基金・ぐらん運営委員長、NPOまちぽっと副理事長)
  • ●  平野 光隆(ミタイ基金理事)

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ご支援はこちらから(税金の控除がご利用できます。) http://socialjustice.jp/p/shien/

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