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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第11回助成

NPO法人デートDV防止全国ネットワーク
SJF助成事業第1次中間報告(23年6月

 

助成事業名:『デートDV防止から始めるジェンダー平等な社会づくり  

 デートDVは深刻な人権侵害であり暴力であることを社会全体に啓発し、デートDV予防教育や啓発グッズの作成などを通して、ジェンダー平等社会の実現とDVや虐待など暴力の連鎖が起きない社会の構築を目的とする。

 デートDV予防教育は、学校現場の子どもたちや教職員だけでなく、社会の構成員全てが学ぶ必要があるものだと考え、企業の経営者や労働組合、行政担当者、国会議員や地方議員など社会システムに関わっている全ての層に対して啓発を行う。さらに、障がいのあるカップル、LGBTQ+など、当事者のコミュニティと交流しながら、どんなプログラムを届けることが有効かを考える。

 

助成金額 : 300万円

助成事業期間 : 2023年1月~2024年6月 

実施した事業と内容: 

 以下のここまでの事業で分かったことは、DVやデートDVはどこにでも起こりうるにもかかわらず、日本の企業にとって個人の問題として取り上げられにくいこと、しかし外資系企業では、積極的に取り組んでいる事例もあり、開拓の可能性が十分にあるということである。 

 2023年3月デートDV防止スプリング・フォーラムの基調講演にて、中央大学副学長の武石智香子氏より「DVの社会的コスト」の講演を行い、デートDV予防教育の必要性を確認した。また、イブサンローランの世界的な取組「Abuse is not love」を紹介した。

 4月 啓発講座の内容検討と実施先への打診を開始した。

 4月14日メットライフ生命にヒアリングし、デートDVについての研修を企業で実施可能か相談したところ、DVはプライベートなことなので難しいということがわかった。

 4月15日ユースプロジェクトについての打合せを行い、4月26日高校生向けデートDV予防講座を高島が見学した。

 5月2日大阪のLGBT団体QWRCに啓発講座について説明、打診したところ、後日実施に向けて検討していくことになった。

 5月2日理事会にて情報共有し、アプローチ先を検討した。その後、中田代表が全国女性シェルターネットを通じて資生堂に打診したが断られた。

 5月20日ユースプロジェクトの実施計画について打合せし、対面会議を開催することを決めた。

 5月26日BME(同性婚)賛同企業交流会に出席し、10社以上の企業と名刺交換し、研修について説明したところ、ゲイカップルの婚活企業が興味を示した。

 5月27日BPW(働く女性組織)長崎大会にて中田代表が企業社長に研修についてヒアリングしたところ、やはりDV(個人のこと)の研修は難しいということだった。

 5月31日理事会にて情報共有。Vodafoneは企業の社会的責任と生産の確保のために社内のDV防止に取り組んでいることが共有された。また、デロイトトーマツ社が積極的に取り組んでいることがわかったので、今後アプローチすることが決まった。

 

今後の事業予定 : 

  • 啓発講座

6~8月引き続き実施先の募集および啓発講座の内容検討

9月~12月企業、障がいのある人、LGBTコミュニティへの講座実施

10月議員勉強会の実施(特にDVの社会的コストと予防教育の必要性について)

  • シンポジウムの開催

3月デートDV防止スプリング・フォーラムにおいて、企業の取組やLGBTや障がいのある人向けの必要性を考える。

  • ユースプロジェクト

計画では、
4月~啓発グッズ制作開始 11月~啓発グッズ試行・配布開始
となっている。

現在、試作品が出来上がっており、6月下旬〜7月上旬にかけて、試作品をユース世代に使ってもらい、フィードバックをえる機会を持つ。その後、10月以降に入稿予定。

 

助成事業の目的と照らし合わせ 効果・課題と展望   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例を挙げた。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるかを記載。

 とくに、助成申請書の3-5で5つの評価軸について記載した「課題と考えることとそれへの対策」に関連させて、どのように変化したのかも記載。

(1)当事者主体の徹底した確保 

 ユースプロジェクトが主体となり、啓発グッズ制作において当事者世代が試作品を制作。より幅広いジェンダー/セクシャリティ/属性のユースに使ってもらえるようなカードゲームにできるよう、カードゲームを使ってもらいフィードバックを募るイベントを開催予定。

(2)法制度・社会変革への機動力

 10月(予定)に議員勉強会を開催し、ここまでにわかったDVの社会的コストを知らせ、デートDV予防教育の法制化を呼びかける。

(3)社会における認知度の向上力 

 デートDVの認知を上げるため、引き続き関係団体と連携して、発信を行う。啓発講座の参加者の声をSNSを活用し、発信する。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 予想した通り、日本企業からDVは個人の問題として敬遠されがちであることがわかったが、外資系企業の取組を紹介することで風穴を開けていく。

(5)持続力 

 新たな対象へのデートDV啓発講座のノウハウを開発し、今後普及していくことで事業収入につなげる。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 一言で言えば、「ジェンダー」である。特に日本社会の中で、DVやデートDVといった問題は個人の問題だと片付け他人事にしようとする風潮が根強い。

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。 

 デートDVが企業や家庭の中でも語られるべき身近な問題であることに一人でも多くの人が気づくことから、人と人とが対等であることを啓発していく。

(3)そのような貢献にむけて、どのような活動との協力/連携が有効だと考えるか。

 外資系企業の取組を紹介することで、DVやデートDVが個人の問題ではなく社会の問題であり、ここに取り組むことが、企業の社会的責任であり、生産性の向上、つまり企業利益の向上にもつながることを伝えていきたい。

 同時に、ユースプロジェクトが主体となり、デートDVを啓発するために、デートDVという言葉だけでなく、対等な関係(ヘルシーリレーションシップ)の大切さを啓発することも行う。    ■

 

 

 

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