◆団体名(所在地) : 公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本( 東京都千代田区 )
◆団体概要:
アムネスティ・インターナショナルは、1961年に発足した世界最大の国際人権NGOです。市民の自発的な行動による人権状況の改善へのさまざまな取り組みが認められ、1977年にはノーベル平和賞を受賞しています。
日本支部は、1970年4月23日に創設され、2011年8月には内閣府より公益社団法人として認定されました。
◆助成事業名:『名張毒ぶどう酒事件・奥西勝死刑囚と袴田事件・袴田巌死刑囚の再審開始を通した死刑廃止の世論喚起事業』
◆助成事業概要:
40年以上も死刑確定者として拘禁されている、奥西勝さんと袴田巖さんの救援活動を国際的に行ってきました。今回の助成事業では、メディア、一般、議員などに向けて、緊急再審請求キャンペーンを行います。
刑事司法の問題を他人事としている市民に、両名が受けた密室の取調べや偽装すらも行われる鑑定の問題点を周知させ、そのためのメディアを最大限に活用したキャンペーンです。同時に議員にも働きかけることで、再審の可能性を広げていきます。
◆助成金 : 50万円
◆助成事業期間 : 2013年10月~2014年9月
◆助成事業計画:
2013年10月~奥西さん、袴田さんの再審開始の可能性状況の情報収集につとめ、推移を注視しつつ、メディアワーク開始。
メディアワークに合わせ、SNSでの発信開始。
2013年10月19日 助成発表イベント。
2013年11月 再審の状況次第で戦略小変更。
アムネスティ他国支部との袴田さん、奥西さんキャンペーンとの連動を図る。
2013年12月1日、静岡での袴田さん支援大集会に参加。
世界人権デー(12/10)の機会に、再審請求更なる働きかけ。
2014年1月~事業継続。地方での『約束』上映会。
2014年4月~事業半期総括、後半戦略策定。中間期活動報告実施。
2014年4月~9月 事業継続。
2014年10月 最終報告書提出。
◆実施助成事業と内容:
死刑確定者の奥西勝さんと袴田巖さん両名に共通する社会背景は、密室の中での自白偏重の強引な取調べや偽装が疑われる鑑定結果をなどですが、これが冤罪を招く根源であるにも関わらず、この問題認識がまだ日本社会で十分認知されていないことにあります。
両名の救援活動を国際的に行ってきたアムネスティとして、メディア、一般、議員などに向けて、奥西勝さんと袴田巖さんの緊急再審請求キャンペーンを行います。
刑事司法の問題を他人事としている市民に、両名が受けた密室の取調べや偽装すらも行われる鑑定の問題点を周知させ、そのためのメディアを最大限に活用したキャンペーンです。同時に議員にも働きかけることで、再審の可能性を広げていきます。
○一般向け広報
・映画『約束』 を活用したキャンペーンを行います。
・FacebookやツイッターなどSNSで広報します。(例:袴田巖さんと、姉・ひで子さんへの応援メッセージを集め、900枚以上がアムネスティに届いた。その一部を、11月19日、 facebookで紹介した。)
○メディア向け
両名の再審状況を注視しながらメディアワークをします。記者へブリーフィングして記事にしてもらいつつ、集会などの告知をします。静岡、三重などの地方メディアへの情報提供も併せてやっていきます。
○議員向け
国会質問でこの問題を取り上げるよう議員に働きかけます。また、国会内に死刑制度廃止のための調査会を設置し、その間は死刑を廃止(モラトリアム)するように要請します。
○支援集会
2014年1月13日(日)、静岡県静岡市葵区の総合福祉会館で、袴田事件の再審(裁判のやり直し)を目指す支援集会が開かれた。これには、およそ350人が集まった。そして、再審開始の早期実現と、袴田巖さんの釈放を求める集会アピールを採択した。アムネスティ日本支部からは、事務局長の若林が参加した。
集会では、弁護団の西嶋勝彦団長が、第二次再審の経過と、静岡地裁に先月提出した最終意見書について説明。続いて、死刑確定後に再審無罪となった元死刑囚の免田栄さん(88)や赤堀政夫さん(84)、また、「布川事件」で3年前に再審で無罪が確定した、杉山卓男さんと桜井昌司さんの2人が登壇し、袴田巖さんへの応援のメッセージを送った。
ジャーナリストの江川紹子さんは「冤罪(えんざい)の構図と裁判官の責任」と題して、講演をおこなった。
袴田巖さんの姉のひで子さん(80)は「こんなに大勢集まったのは初めてかもしれません。」「長い道のりだったが、ここまで来ました。どうか最後まで応援をよろしくお願いします」と、さらなる支援を呼びかけた。
最後に、若林事務局長は、閉会の挨拶の中で、アムネスティに集まった全世界からの署名に触れ「世界が注目する袴田です。我々の目標は、公正な裁判を実現して、巌さんをひで子さんのもとに返すことであり、その日まで共にがんばりましょう」と、会を締めくくった。
静岡地検へ署名提出(copyright: アムネスティ日本)
翌14日(月)、若林事務局長とひで子さんは、約4万人の署名を静岡地検に提出し、再審が決まった後に即時抗告をしないよう要請した。
今回の要請キャンペーンでは、アムネスティの各国支部の協力で、合計41,327名分の署名が集まった。内訳は下記のとおり。
オーストラリア支部 17,252名
イギリス支部 17,048名
オランダ支部 4,279名
ドイツ支部 535名
日本支部 2,213名
合計 41,327名
この他、スペイン支部からは、要請の手紙が約1,000通、地検に送られた。
この集会と署名提出には、多くのメディアが取材に訪れた。報道は、テレビで2社、新聞では全国紙で4社が、地方紙も数社が取り上げ、社会的な関心を広げた。アムネスティが取り組んだ署名についても、全国紙2紙で記事になった。
○青木理さん講演会「なぜ、死刑を止められないのか」を2014年1月24日大阪にて開催! アムネスティ日本からの報告はこちら。
◆今後の予定 :
■2014年3月 袴田事件の再審請求審の決定を受けて、静岡地検への要請アクションを世界のアムネスティ・メンバーで実施。
■2014年4月 奥西さん、袴田さんへの連帯メッセージを集めるキャンペーン
■2014年6月 「袴田事件勉強会」
袴田弁護団事務局長の小川弁護士とアムネスティ日本前事務局長の寺中誠氏をまねいて、袴田事件の概要・争点と国際人権法からみた問題点を学ぶ。
■2014年7月 映画『約束』上映会と森達也さんによる講演
◆2014年3月27日:SJFアドボカシーカフェ(共催:アムネスティ日本)
『裁判員制度がなげかける死刑の情報開示』
報告はこちらをご覧ください。
◆SJFの助成事業の詳細はこちら
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