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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第12回助成中間報告

NPO法人ピルコン(2024年6月)

助成事業名・事業目的

日本におけるジェンダー平等に基づく包括的性教育についてのアドボカシー事業

 日本におけるジェンダー平等の実現を目指す取り組みとして、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(以下、SRHR)に関するトピックの中でも、特に人権尊重と科学的根拠に基づく包括的性教育についてのアドボカシーを行う。

 現在日本において、包括的性教育の実践事例は十分になく、またその根拠となる法律や制度の整備も進んでいない状況がある。そのため、国内外の機関や専門家とも連携し、包括的性教育についての情報や教材について発信し、若者と共に啓発を行う。包括的性教育についての科学的根拠や、ジェンダー平等との関連性、ポジティブなメッセージをインフルエンサーと共に社会に広げ、政府・政治家やステークホルダーにはたらきかけを行い、包括的性教育の教育機関・地域等で、教員・保護者や学生を対象に、学習機会の充実や包括的性教育の実践に向けての環境づくりを目指す。

 

助成金額 : 100万円 

助成事業期間 : 2024年1月~25年3月

報告時点までに実施した事業の内容: 

【調査】

・国内外における包括的性教育の情報を調査し、ユネスコ、WHO、ルトガーズ(オランダの性教育シンクタンク)、プランインターナショナルなどの包括的性教育についてのガイドラインやQ&Aを翻訳

【イベント・啓発】

・3/30、4/23 ユースと包括的性教育に関するインスタライブを開催、合計で約4,000回再生される。

・5/19 性的同意をテーマにオンラインイベント「雰囲気よりも大切なものって? #性的同意 ワークショップ」を開催、30名が参加し、後日視聴動画は約40回再生

ASTA

 

【サイト・コンテンツ制作】

・現在コンテンツ内容を調整中

・サイト制作会社の選定中

 

今後の事業予定 : 

2024年6月~8月

 ・包括的性教育に関する情報サイトの完成

 ・政府への包括的性教育を求める(生命の安全教育の充実化と現在の学習指導要領における「歯止め規定」の撤廃・見直しを求める)要望書の作成・提出

 ・上記告知イベントの実施

 ・議員会館での院内勉強会もしくはオンライン勉強会の実施

2024年9月~10月

  ・包括的性教育に関するサイトの情報をSNSでも発信

  ・9/26世界避妊デーにちなんだイベントの開催

  ・(追加)10月にユネスコ・東海大学と、3日間のユースセミナーを共催予定(参加者100名程度を予定)

2024年11月~12月

  報告書まとめ

※随時、議員やステークホルダーへのロビイング

 

助成事業の目的と照らし合わせた効果・課題と展望:   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるか。

(1)当事者主体の徹底した確保

 発信の際には、若手スタッフを中心に行い、デザイナー等の起用も若者や女性、LGBTQ+当事者を中心に依頼している。今後、つながりのある学生団体やユースのアクティビストとも連携を行う。

(2)法制度・社会変革への機動力

 関連団体であるNPO法人デートDV防止全国ネットワーク、及び緊急避妊薬を薬局でプロジェクトが主催する院内勉強会が6月にそれぞれ開催され、ピルコン染矢より、包括的性教育も含めて講演・報告を行った。与野党の議員や省庁関係者も多く参加し、今後もロビイングを行っていく。

(3)社会における認知度の向上力

 包括的性教育の啓発サイトができた際には、プレスリリースやメディア向けの発信を行うことで、より多くの人への認知向上につなげる。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 政策提言に2018年から取り組んでおり、その他の関連団体とも連携をしながらステークホルダーとのつながりを広げ、強化できるよう試みる。政策提言を行っている他NPOや先駆者への連携を働きかける。

(5)持続力

 今回の助成金により、コミットするスタッフや協業者に適正な謝礼を用意する。各施策でゴール設定を行い、PDCAサイクルを回していく。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 性についてのタブー感・文化的な風潮と、現在の与党である自民党が性教育に慎重な姿勢を示してきたことにより、社会的機運が盛り上がることが難しく、また政府の政策として性教育が積極的に導入されてこなかったこと。

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。

 包括的性教育の科学的根拠・人権に基づく情報を分かりやすく情報発信することで、世論形成を行うこと。

(3)そのような貢献にむけて、どのような活動との協力/連携が有効だと考えるか。

 クリエイターやインフルエンサー、若者、専門家、保護者、政治家・メディアと連携し、包括的性教育が必要であることの社会的なムーブメントを作っていくこと。■

 

 

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