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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第11回助成

一般社団法人パリテ・アカデミー
SJF助成事業第2
次中間報告(23年12日

 

助成事業名:『ジェンダーギャップ解消の担い手となる女性政治リーダー養成事業  

 ジェンダーギャップを解消したいと考えている女性を対象に、具体的な解決アクションに向けて、学習と対話を通じてエンパワーする。参加者のなかから行動を起こし、議員になっていく人を育てていく。

 毎年公表されている、ジェンダーギャップ指数の日本のランキングは下がり続け、特に政治分野経済分野でのギャップが低いことが指摘されているが、変化が見られない。

 人口の半分は女性であるが意思決定の場にあまりに女性が少ない現状がある。

 今の議会には女性だけでなく、若い人、障がい者、外国にルーツのある人、性的マイノリティーの人などが圧倒的に少ない。こうした多様な人々が一緒に暮らしているのが社会の現実であり、その声が政治に公平に反映され、だれもが生きやすい社会の実現を目指すために、女性をエンパワーメントし、女性リーダーの人材を育成する。

 

助成金額 : 300万円

助成事業期間 : 2023年1月~2024年7月 

実施した事業と内容:   

◆ オンライン講座(女性議員ブックトーク)◆

『政治って、面白い!――女性政治家24人が語る仕事のリアル』

 ~ところで、政治って本当に面白い?~

・日時2023年7月13日(木)20:00~21:00

・登壇者(五十音順)

伊藤孝恵さん(参議院議員)

池田幸代さん(長野県駒ケ根市議会議員)

山田裕子さん(埼玉県越谷市議会議員)

・ファシリテーター:三浦まり

・申込62名(見逃し配信希望含む)、当日参加者40名

・内容

 2024年5月に発売された『政治って、面白い!』(三浦まり編著)には24名の女性政治家が超党派で登場し、様々な組み合わせでの対談・座談会・インタビューで、そのやりがいや立候補の動機から落選についてまで、幅広く語り尽くしている。本書に登場してくださった政治家のうち3名をお招きし本書の感想や座談会で語り切れなかったことなどをざっくばらんにお話いただいた。

ASTA(写真= 2023/07/13『政治って、面白い!――女性政治家24人が語る仕事のリアル』~ところで、政治って本当に面白い?~ 登壇者の方々)

・参加者の声

「3名の方それぞれの個性豊かなエピソードを興味深く聞いていました。皆さんの話す言葉から政治に対する熱い思いが伝わってきて、それだけ魅力を感じられる仕事なのだなと、政治へのイメージが変わりました。」

「議員の仕事とは聞く仕事」という言葉が印象的で、やっぱり自分は議員に向いているかも…!と希望を感じました。 また選挙運動では仲間づくりが大切だということが分かったので、これからコミュニティオーガナイジングについてもっと学んでみたいと思いました。」

「先端を行く女性政治家の皆さんの力があって、様々なマイノリティーを生きる生活者がようやく生きていける世の中になるのだと思います。共に声を上げていきましょう。」

・その他

 当日はメディアの取材もあり、イベントの様子が2023年7月20日朝日新聞に掲載された。花伝社の協力で、申し込みの際に割引価格で書籍購入を可能にした。

 

首都圏映画上映・対話集会(東京)◆

「社会を変えよう!ソーシャル・アクション・リーダーがめざす世界」

・日時2023年11月18日(土) 13時~17時15分

・場所 上智大学 6号館302号室

・参加申込39名、参加者27名

・共催:上智大学グローバル・コンサーン研究所

・プログラム:

はじめに:三浦まり(上智大学教授・パリテ・アカデミー共同代表)

第1部映画上映:『権力を恐れず真実をー米国下院議員 バーバラ・リーの闘い』

  映画解説:柳澤幾美さん(大学非常勤講師)

第2部:パネルディスカッション&グループワーク

   司会:町田彩夏(パリテ・アカデミーシニアトレーナー)

登壇:中野裕子さん(三重県津市議)、なめかわ友理さん(茨城県水戸市議)、濱田真里さん(StandbyWomen代表)

おわりに:申きよん(お茶の水女子大学教授・パリテ・アカデミー共同代表)

・内容:

 社会を動かすアクションを起こしてきたリーダーから学びジェンダー平等・平和な社会正義を追求するために、どうやって社会をかえていくのか、その方法について、映画上映やパネルディスカッションをもとに参加者と対話した。

ASTA(写真=2023/11/18「社会を変えよう!ソーシャル・アクション・リーダーがめざす世界」 登壇者の方々と参加者、運営スタッフで記念撮影)

=参加者の声=

「自分のことや意見を絶えず周囲に伝え続けることが人の心や制度を動かす契機になることを感じた。」

「普段聞くことができないよう難しい政治の参画について詳しくきけたことで考えを深められ良い経験となった。」

「世代をこえて議論ができ、様々な視点のお話ができてよかった。」

「若い方、ベテランの方とお話できたのしかった。女性同士で話すのってホント楽しい。」

「日常で政治の話ができない=したい人がたくさんいることに改めて気づきました。」

 

今後の事業予定 : 

地方対話集会 *広報チラシ 

・日時:2023年12月9日(土) 13時~16時30分

・場所:エル・ソーラ仙台大研修室

・参加費:無料

・対象:高校生以上の女性

・定員20名(先着順)

・プログラム

はじめに:申きよん(お茶の水女子大学教授・パリテ・アカデミー共同代表)

第1部:映画鑑賞 『権力を恐れず真実をー米国下院議員 バーバラ・リーの闘い』 映画解説:柳澤幾美さん(大学非常勤講師)

第2部:パネルディスカッション&グループワーク

司会:町田彩夏(パリテ・アカデミーシニアトレーナー)

登壇予定:いのまた由美さん(仙台市議)、日向美砂子さん(元小平市議)、柳沢幾美さん(大学非常勤講師)

※メディアの注目は高く、当日取材が入る予定。

オンラインでのアクティビスト講座

報告集会を実施予定

 

 

助成事業の目的と照らし合わせ 効果・課題と展望   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例を挙げた。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるかを記載。

 とくに、助成申請書の3-5で5つの評価軸について記載した「課題と考えることとそれへの対策」に関連させて、どのように変化したのかも記載。

(1)当事者主体の徹底した確保 

 参加者は自分自身が女性として抱える課題を省みつつ、ジェンダー課題を発見していく。そして、社会を変えるためにアクションが必要であることの気づきを得ていく。実際、グループワークを通じて、自分の課題を言語化し共有すること、またほかの参加者の経験を聞くことで、相互にエンパワーされていく様子が窺えた。

(2)法制度・社会変革への機動力

 国会議員・地方議員を招いたオンライン講座では、どのようなアクションを起こすことで法制度・社会変革につながるのかについて参加者が具体的なイメージが持てるようになった。また、選挙や議員の仕事のリアルを聞くことで、政治参画への関心や意欲が高まった。

 アメリカのドキュメンタリー映画の視聴を通じて、一人であっても声を上げることで社会を変えていくことにつながることを学んだ。

 社会を変えたいと思っても、自信がなかったり、方法がわからなくて二の足を踏んでいる人も多い。本事業を通じて、アクティビストの体験を聞くことで背中を押され、自分もできる、やりたい、という気持ちが参加者のなかで湧いてきたと思われる。

(3)社会における認知度の向上力 

 本事業についてメディアに伝え、オンライン講座については記事(朝日新聞2023年7月20日)になった。引き続き社会における認知度が向上するよう努力していく。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 意思決定に関与する女性を増やすことの重要性について、必ずしも認識しない人たちが存在する。その層を説得するためにも、参加者がグループワーク等を通じて、どのようにメッセージを伝えていくかについて学んでいった。

(5)持続力 

 参加者間のコミュニティが形成されることが持続力のためには重要である。そのために、弊団体のトレーナーやアルムナイと連携し、情報交換や交流の機会、SNSのコミュニティなどを設け、パリテ・アカデミーと繋がっていく機会を増やした。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 社会に根強く残る家父長制が根本的問題である。ジェンダーに関する課題は表出する際には個別のイシュー(性暴力、男女賃金格差など)となるが、それらを横串でつなぐ視点を獲得する必要がある。そのことによって、シングルイシューの運動を越えた連携が可能になる。さらには、それらの問題を解決していくには、政治が鍵であることを理解していく必要がある。

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。 

 パリテ・アカデミーの事業に参加することで、ジェンダー視点を持った議員を増やすことが、女性たちの生きづらさやジェンダーギャップを解消していくことにつながることへの理解を深める。さらには、自分自身が情報発信者となり、アクションを起こすようになることを促す。参加者のネットワークが構築されて一つの束となることで大きな力を持つようになるよう働きかける。

(3)この助成をきっかけに実際に連携が進んだことはあるか、あるいは今後具体的な計画はあるか。

 やむなく中止とした地方集会においては、金沢市役所に後援をいただき市のSNSを利用した広報に協力していただけた。また、仙台実施に関しては仙台市男女共同参画センターよりチラシの配架、配布に協力いただいている。東北大学や宮城学院女子大学にも協力を要請した。メディアの取材申込も現在1社あり。(河北新報)

 東京対話集会においては上智大学グローバル・コンサーン研究所や女性議員へのハラスメント相談支援等を行う団体「StandbyWomen」との連携が深まった。

 広報について、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)のイベント情報に掲載することで集客することができた。

 バーバラ・リーの映画上映に関して大学非常勤講師の柳澤幾美さんを通じて監督との上映交渉などが実現した。  ■

 

 

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