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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第9回助成


認定NPO法人 FoE Japan
SJF助成事業中間報告(21年6月

 

助成事業名国内最大規模のリニア開発~国民的議論による見直しを~  

 国内最大規模の開発事業となるリニア中央新幹線の工事は、広大な範囲の生態系、国内交通網、地方開発、これからの社会のあり方自体にも多大な影響を及ぼします。すでに始まっている工事により、沿線の生態系、住民の暮らしは破壊的に脅かされています。本活動は、リニア計画の妥当性、政策決定プロセス、環境アセスメントの問題点を今一度検証し、さらに沿線各地の工事影響や問題点を明らかにします。問題点を市民が知る、考えるきっかけを作り、住民や若い世代を含む市民が、この国の将来に何を残したいか、本当に必要な開発であるかを議論する機会を設けます。本活動を通じて、環境や社会に甚大な影響を及ぼす開発事業に科学的な検証と十分な国民的議論の必要性を訴え、時代に即した持続可能な社会の構築を目指します。

 

事業計画 

 リニア沿線各地の影響地にて現地調査や住民からの聞き取り、さらに住民による状況の記録、環境調査、情報発信を促進し、住民運動の強化と共に沿線各地からの情報の集約、発信を行い、影響を可視化していきます。また、リニア事業の問題点を整理し、本問題を初めて知る市民にもわかりやすく発信していきます。情報発信と平行して、沿線住民や市民、若い世代が、リニア問題についてSNSで意見を発信するアクションを提案します。また、リニア賛成反対に関係なく様々なステークホルダーや市民が議論できるワークショップを実施します。沿線住民や市民の声を元に提言をまとめて事業者や国、関係自治体に提出します。

 

助成金額 : 100万円

助成事業期間 : 2021年1月~2021年12月 

実施した事業と内容:  


  • 影響調査

2021年2月:  大鹿村送電線工事影響地の視察、住民からの聞き取り

3 月: 飯田市長野県駅予定地周辺住民から聞き取り、現地視察、移転代替地視察

5月: 豊丘村非常口工事現場、残土置き場、変電所予定地視察、住民からの聞き取り

※調査地域の工事影響の状況を把握。3ヶ所の調査地は、隣接する自治体であるが、住民運動のあり方や地域性の違いにより、地域社会の中でのリニア問題の位置づけが大きく異なることがわかった。
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写真上=谷を埋め立てる残土置き場(豊丘村)

2021年1月~6月: 大鹿村住民運動のフォローアップ
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写真上=大鹿村の住民が伐採中止を求めた300年のブナの巨木

 
  • 情報整理・発信

2021年1月~6月: 問題、論点の整理

※FoE Japanのニュースレターの特集ページで発信

 
  • SNSを活用したディスカッション

2021年5月~: SNSキャンペーンの準備

 
  • 市民参加型ワークショップ

2021年5月~: オンラインワークショップの調整、準備

 
  • 提言の提出、対話の提案

2021年3月: 川勝静岡県知事への署名提出、要望書の提出(写真下)

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助成事業の目的と照らし合わせ 効果・課題と展望   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例を挙げてください。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるか記載ください。

 とくに、助成申請書の3-5で5つの評価軸について記載なさった「課題と考えることとそれへの対策」に関連させて、どのように変化したのかも記載ください。

(1)当事者主体の徹底力 

 ・参加型のSNSキャンペーンやワークショップをこれからの日本の開発事業のあり方、交通体系のあり方について市民が考える機会、議論、行動する機会を設けます。

(2)法制度・社会変革への機動力

・大深度地下利用法の適用地域の住民を招いて、リニア事業によるリスク、権利侵害等を具体的に洗い出し、問題提起します。
・大都市圏住民の利便性や一部の企業の利益が優先されてきたリニア推進政策のあり方に、SNSキャンペーンやオンラインの参加型議論を通して問題提起します。


(3)社会における認知度の向上力

 ・静岡県の水問題だけがリニア影響として知られている現状に対し、すでにリニア工事によって生活を脅かされている沿線各地の住民達の声をSNSやオンラインワークショップ等を通じて発信していくことで、リニア影響の大きさ、深刻さの実態を周知していています。弊団体の情報発信を通じてリニア問題に新たに関心を持つ市民やメディアからの問い合わせが増えています。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 ・沿線の影響住民の声を可視化することで、広く理解者や支援者を増やし、住民の孤立を防ぎます。
・県、市町村を越えて沿線の住民が情報共有したり、全国から署名活動や寄付の支援関係等が構築されてきています。
・参加型のワークショップや対話の場を持ち、様々な意見や立場の異なるステークホルダーと共により持続可能な交通、開発のあり方を議論します。


(5)持続力

 ・10年にわたる工期に住民が対応できるようになるように、住民主体の調査、情報発信を促進します。また、そのための全国からの支援を呼びかけます。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 リニア中央新幹線は日本の交通網、自然生態系に大規模に改変を与え、沿線地方政策・経済、住民の暮らしに多大な影響を及ぼす事業でありながら、国民的議論を経ずに「国家的事業」として進められてきました。詳細計画も決まっていないまま着工し、影響を被る住民への説明や意見を述べる機会も不十分ですが、政府及び沿線自治体の強力な後押しにより住民の不安の声は封じ込められてきました。すでに生じている様々な問題も、メディアが報じることは困難とされ、一般に知られていません。自然災害の頻発や、持続可能な社会の構築が優先される時代にも関わらず、甚大な自然破壊や地域分断、大都市集中を生じさせる大規模開発を、事業有りきで進めることができる社会の仕組みに問題があります。

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。

 これまで一般に知られていない沿線の影響を明らかにし、広く周知することで、リニア事業のリスクが市民に理解されます。また影響住民は、環境調査や情報発信の方法を習得することで、声を上げることができるようになります。市民が参加型で意見を発信する機会を設け、リニアの必要性からボトムアップで議論します。それらの意見を事業者や国、自治体に届け、開発事業のあり方から見直しを求めていきます。

(3)そのような貢献にむけて、どのような活動との協力/連携が有効だと考えるか。

 沿線の住民を孤立させないため、地域を越えた連帯を必要とします。情報共有や共同アクションを通して連携を深めることができます。また、沿線の住民を支える全国からの支援も重要となります。リニア問題は沿線地域だけの問題ではなく、日本の交通、開発のあり方、また都市形成のあり方にも影響します。持続可能な社会の構築に向けて、人ごととしてではなく自分ごととしてリニア問題に向き合い、沿線住民を支援する市民の輪が必要です。

 

今後の事業予定
  • 影響調査

2021年7月~12月: 沿線影響地の現地調査、住民からの聞き取り

2021年7月~12月: 沿線住民による状況記録、環境調査を促進、支援

 
  • 情報整理・発信 ※当初予定より遅れています。

2021年7月~9月: リニア論点、沿線各地の実態の発信

リーフレット作成、配布

 
  • SNSを活用したディスカッション

2021年8月~10月: SNSキャンペーン

 
  • 市民参加型ワークショップ

2021年7月~11月: オンラインワークショップ開催✕4回

 
  • 提言の提出、対話の提案

2021年11月~12月: 提言書の提出

ステークホルダーとの対話

 

関連するSJFアドボカシーカフェ『地域から問う持続可能な社会経済のあり方~リニア新幹線の開発事業をめぐって~』の報告はこちらから

 

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