ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)は、2013年5月21日、文京シビックセンターにて
アドボカシーカフェを開催いたしました。
「 国会事故調は何を問いかけているのか
~原発賛否の前に見つめなければならないことは~ 」
◆ゲスト: 石橋 哲さん(元 国会事故調事務局 調査統括補佐 /「わかりやすい国会事故調プロジェクト」発起メンバ―)
◇コメンテーター: 三木由希子さん (NPO法人情報公開クリアリングハウス)
――― 事故の根源的要因として、政府からも東電からも独立した国会事故調査委員会の客観的な報告は、
2006年には津波による全電源喪失のリスクを認識しながら、
2009年の耐震安全性評価の最終報告期限を2016年に先延ばしし、耐震補強工事は福島第一原発の1~3号機に全く実施せず、
2011年3月11日の東日本大震災の日を、安全対策が取られないままを迎えたことによる「人災」であるとした。
・・・・・・「変われなかった」ことで起きてしまった原発事故。思考停止から脱却しようと石橋さんは呼び掛けます。若い世代はすでに動き始めています。例えば、大学生を中心とした「わかりやすい国会事故調プロジェクト」、高校生を中心とした連携などなど。
――― 国会事故調の提言もどう生かされるのか依然不透明。
・・・・・・アドホックな国会事故調査委員会は衆参両院いずれにも所属していないが故に、報告書の管理者も宙に浮いた状態。情報公開法による情報公開を請求するしくみに入れない状態。でも、報告書が埋没しないよう、国会に問いかけ、得られた答えを活かし、次の行動につなげることを目指そうと、鋭く切り込む三木さんのコメントが続きました。
――― ほとんどの人が原発事故の実態を、知らない、知ろうとしない、あるいは福島に限局された問題と考えているという現状をどう捉えるのか。
・・・・・・あの事故を思い出して幸せになれる人はいない、から。
でも、「見ざる・言わざる・聞かざる」の大人ではなく、「何も知りませんでした」の大人ではなく、
子どもたちの「あなたは今何をしますか」の問いに答えられる大人でありたいと、石橋さんは父親としての思いも語られました。
・・・・・・次第に会場には、議論の対流が生まれていました。参加者お一人お一人によって噛み砕かれ手の届く問題として読み解かれ、足元に降りてきたような対話の場となりました。さらに、ここから次のステップを各々問いかける機会ともなりました。
◆参加者の声から◆
原発について、問題意識はあるけれど、知識等はほとんど持ち合わせていませんでした。実際に問題に関わられた方や、問題意識の高い人たちと話すことができ、考えるためのきっかけになりそうです。ありがとうございました。
****** 今後の企画予定のご案内 ~お申込受付中です~ ******
◆5月28日 SJFアドボカシーカフェ
「 セクシャル・マイノリティのことを知り、誰もが生きやすい社会を目指して 第2回
~カミングアウトというコミュニケーション~ 」
詳細はこちら http://socialjustice.jp/p/event20130528text/
◇6月19日 SJFアドボカシーカフェ
「 生活保護の現場から見る、日本の貧困問題 (仮題)」
詳細はこちら http://socialjustice.jp/p/201306eventplan/
◆6月22日 ソーシャル・ジャスティス・ダイアログ
「 わたしたちは、どういう未来を創るのか
~社会的公正と「新しい」未来をシェアしよう~ 」
詳細はこちら http://socialjustice.jp/p/201306eventplan/
******* 関連リンク ******
◆国会事故調査委員会の報告書(国立国会図書館資料)http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp/report/
◇わかりやすい国会事故調プロジェクト http://naiic.net/
◆情報公開クリアリングハウス http://clearinghouse.main.jp/wp/
***** 2013/05/21用のご案内資料はこちら *****