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2013年3月29日
2012年度 アドボカシーカフェ報告

 
セクシャル・マイノリティのことを知り、誰もが生きやすい社会を目指して

~地域社会から、性的な多様性を認め合う未来を実現していくには~

 

2013年3月23日、現実にぶつかっている様々な壁を超えるための努力をされている3人をゲストに迎え、高校生からご年配の方までの非当事者の方を含めて幅広い議論がなされ、一人ひとりが違って当然であり、理解しあうことを大切にしようとの思いが共有されました。セクシャル・マイノリティの当事者か非当事者であるかの区別が無意味に感じられるほど、多様な人同士のタブーなしの対話が和やかな雰囲気の中で行われ、さまざまな認識が新たとなった会になりました。

 

20130323アドカフェ性的多様性
ゲストの(右から)石坂わたるさん、島田暁さん、エディさん

――― 主な内容 ―――

【1 】エディさん(レインボープライド愛媛※1 代表)の提言

あああ「愛媛地域での活動、問題提起」

【2 】島田 暁さん(レインボー・アクション 代表)の提言

あああ「今の社会状況をどのようにみているか、活動紹介」

【3 】石坂 わたるさん(中野区議会議員、行政書士、精神保健福祉士、セクシュアルマイノリティ教職員、ネットワーク会員)の提言

あああ「中野区地域社会という視点から見たLGBT、活動紹介」

【4 】参加者とゲストのダイアログやディスカッション

<進行> 樋口 蓉子(SJF運営委員)

※1 SJFの2012年度助成団体先事業の一つ。

※2 LGBT:女性同性愛者(Lesbian)、男性同性愛者(Gay)、両性愛者(Bisexual)、性別に違和感を持つ人(Transgender)の頭文字。米国オバマ大統領が第2期就任式で、LGBTの問題を人権問題として平等を求めるメッセージを発したことでも認知が広まっている。

 

以上を映像アーカイブとともに報告いたします。

――――――――――――

 
【1 】「愛媛地域での活動、問題提起」 エディさんから
~社会的偏見の中で孤立していくLGBT当事者が安心できる社会に向けて~
・保守的な地方、愛媛での挑戦。
・隠れた当事者がカミングアウトしやすい地域社会への努力 ⇒ LGBT同士の理解を進める市民対話の場づくり、当事者と家族の相談受付、当事者の学生サークル立ち上げ、「家族の会」設立など。
⇒ 2013年夏、LGBTが安心して集まれる常設のコミュニティーセンターを松山市に開設。

~性的マイノリティの人権を考えてもらう機会づくりに尽力~
・愛媛県庁の職員向け研修会、徳島県の市民講座、三重県の人権センター等で当事者の思いを伝える出張講演。
・松山市の「人権啓発フェスティバル2012」にてブースを出展。
・松山市の「コムズフェスティバル2013」にて、ゲイを公言している米国総領事リネハン氏の講演会を催し同性愛への理解を求めた。
⇒ 愛媛県や松山市で人権重要課題の主要項目となった。

~教育の場でも理解を求める活動を展開~
・愛媛県大学付属高校など小学校から大学まで、生徒さん、PTA、先生方にむけて出張講演を積極的に実施。
・授業で性的マイノリティを扱うために、愛媛県教育委員会と指導者用の研修資料を作成。

~NPOとの連携~
男女共同参画、摂食障害の自助グループ、働き方の変革支援などに取り組むNPOとの合同シンポジウムに参加。

~政治家に問う性的マイノリティに関する施策~
・地方では変化が始まっていることを示した、愛媛県知事選、松山市長選、松山市議選の立候補者に対するアンケートの実施結果を公表(レインボープライドWebページで公開)。
・日本の各政党に向けた2012年総選挙前に実施したアンケートでは、“人権問題としてとりくまなくてよい”、“性同一性障害者への施策は必要だが、同性愛者へは必要がない”という自民党の回答が問題となりロイターで世界的に報道された(地域情報誌「ホヤケン!」にて全文公開)。

~皆さんでできることを一緒に考えて下さい~
全国各地それぞれで進められるようにするには? 他にはどんな方法があるか?

 
【2 】「今の社会状況をどのようにみているか、活動紹介」 島田 暁さんから
~「震災とセクシュアリティ、絆」(島田さん監督で制作中の映画)~
・防災を地域社会で考える機会が全国的に盛んになっており、そこにセクシュアル・マイノリティの視点も入れるよう提言していくことが今後のテーマだ。
・被災したセクシュアル・マイノリティは、男女別に区分された避難所には行きにくく、行ったとしても過大なストレスにさらされている。既存の意味で宣伝されている“絆”が恐怖となる人たちが自力で作りあっていく“絆”を通して社会の在り方を問い直していく。
・長編ドキュメンタリー映画「しみじみと歩いてる」が、2011年、高円寺ドキュメンタリー映画祭で奨励賞を受賞し映像作家デビュー。You Tubeにて2006年より発信してきた映像は現在1748個が視聴可能。

~公人の差別発言を許す社会を変えるべく始まった活動~
・2010年12月4日、人権週間の最中に当時の都知事・石原氏の同性愛者差別発言(毎日新聞都内版掲載)を受け、「石原都知事の同性愛者差別発言に抗議する有志の会」を結成。
・震災と前後する時期のデモには200人位が集まった。また、抗議の声をtwitter等で広げてくれた人たちには当事者でない方々も多くいた。

~東京地域に根差しつつ地の利を生かした空中作戦も展開~
レインボープライド愛媛の活動をエディさんに聞くイベントを開催し、活動の参考としてきた。

~国境を超えるセクシュアル・マイノリティ~
・移民・難民問題を考えるプロジェクトでは、入国管理局の長期収容施設にてフィリピン出身の当事者がいることを把握した為、ホルモン療法の充足状況などについて聞き取りを実施するなどメンタル面での支援を行っている。
・中国のセクシュアル・マイノリティ事情を知るイベントを2012年10月に主催した(尖閣問題に揺れるなか開催が危ぶまれつつも来日した北京クィア映画祭実行委員長らも参加した上映&トーク)。

~最近のヒット企画――ゆるやかに越える交流活動~
・性的マイノリティ―というキーワードの掲げられた集会に生きづらかった人たちのニーズをすくい上げることになった“ゆるカフェ”。
・性的マイノリティ“かも”と思っている人も参加しやすい“かもカフェ”。
・LGBTにも含まれない既存の性的区別と合わない人たちを含めた交流の場“Xラウンジ”を設け、世の中に対して何ができるか考え行動するプロジェクトもある。

 
【3 】「中野区地域社会という視点から見たLGBT、活動紹介」石坂 わたるさん
~一人ひとりが可能な範囲でカミングアウトできる地域コミュニティに向けて~
・マイノリティとマジョリティ双方の側から心の障壁をなくして理解が進むとよいと思う。
・セクシュアルマイノリティが抱えている問題に取り組むことは、誰もが抱えている問題を解決することにつながる。

~青少年の頃から様々なマイノリティに関わるボランティア等に積極参加~
・10歳の頃にセクシュアルマイノリティを自覚、生徒会活動やユニセフ活動、障碍者(しょうがいしゃ)※3ボランティアにも参加。
・社会人となってからは、障碍児教育にも多面的に関わってきた。
※3 現在一般に使用される「障害者」という表記は、「障礙者」を常用漢字で表記するために書き換えたもので、「害」の使用を好まない場合は「礙」の俗字である「碍」を用いた表記が使用されている。

~全ての区民の代表としての議員活動~
・セクシュアリティに関係なく、様々な支援を受けている。全ての人のための自治を進めるべく、区民からの声を頼りに、実際に現場に足を運んで動く。
・受けた相談を施策に活かしてもらえるように議会の中で取り上げてきた。

~地域の課題解決に総合的に取り組む~
中野区の地域特性を考慮し様々な社会問題や、セクシュアルマイノリティも含めた様々なマイノリティの課題に取り組むことですべての区民のための地域課題の解決を目指している。

~課題解決の実現のために~
・マイノリティとマジョリティとの顔を突き合わせた合意から社会は変わる。
・実現した施策の活用を進めよう(例:同性カップルの同居や友人同士の同居などを中野区の住み替え支援事業の対象とすることが実現できた)。
・セクシュアルマイノリティが地域で、顔の見える、声の聞こえる存在となっていけば、議員や役所は動き、地域コミュニティの認識は変わっていく。カミングアウトして地域や行政と関わる人が(全ての人がカミングアウトをできるわけではないが、カミングアウトをよりしやすい人の中から)もっと多く出てくるとよいと思う。

 
【4 】参加者とゲストのダイアログやディスカッション
~参加者からゲストへの質問と回答~

・マスコミにLGBTの登場機会が増えているが、この状況をどう感じているか?
⇒(島田さん)LGBTのタレントがファンを獲得することは親しみを持ってもらえるというプラスの効果がある。ただ問題点として、男性戸籍の女性へのトランスジェンダー方向のタレントに偏っており、逆の女性戸籍から男性へのトランスジェンダーの方や女性の同性愛者がメジャー化された例がない点があり、この背景には男女格差のある男性優位の社会がある。

・学校生活や活動を通して感じてきたことは?
⇒(エディさん)学校の先生がホモネタで笑いを取る場面があり、僕は絶対に同性愛者であることを言えないと感じた。また、今ネット上で同性愛者の情報を検索すると性的なことのみに偏りすぎているが、学校の先生が肯定的な情報をもっと発信してくれれば、より良い情報が流れることにつながるのではないか。

・活動の最初の頃や出会いを通して感じてきたことは?
⇒(エディさん)議員たちの前で講演したことも多々あるが、自分のことを話して取り返しのつかないことをしてしまったと思ったこともある。しかし、だんだんと自分を自分として認めてくれる人たちがいることを知り、自分を出して堂々としていく方が本当の人間関係を気づいていけると体感してきた。

・ダブル・マイノリティ(発達障害のセクシュアルマイノリティ)についての活動は?
⇒(石坂さん)新宿区のNecco=ゆあフレンズという発達障がい者の当事者団体があり、その中にセクシュアルマイノリティのグループもある。

~ゲストからの問題提起と参加者の意見~

・当事者と非当事者が一緒にどんなことから始められるのか?(石坂さん)
・意識の溝を埋めるには――“認める”や“受け入れる”と存在自体に判定を下すような表現がなくなるには?(島田さん)
・皆が必ずしもカミングアウトできなくても何かしら自分の存在を確認し合えるような雰囲気づくりの知恵は?(エディさん)
⇒みんなそれぞれマイノリティ。その多様性に応じ参加する小さなコミュニティの信頼関係の中で幸せになる。そのマイナー・コミュニティーの集合体をマジョリティにするとよいと思う。
⇒意識を変えるため、周りの大人から作られた規範を一回疑ってみよう。
⇒嫌悪は、当事者とかかわったことがないことが原因だ。今回のような会や勉強会を非当事者にもどう告知していくか考えたい。
⇒本当の自分を出すためにはどうしたらよいか。サッカーに例えると、コミュニケーションの発信者に対して受信者はシュートできるゴールのように存在してくれるといいと思う。また、自分を認め相手を認める社会を創るため、みんながルールを守ってサッカーをするように、みんなにあった法律が作れるといい。
⇒希少難病を支援する活動をしている。マイノリティとしての苦しみに共通するものがあると考え参加した。“僕、ゲイです”と声をかけてくれた人との出会いが考えるきっかけとなった。目の前の人に思いをはせるところから始めたい。

~一人ひとり違うことが当然と認識し、お互い顔の見える関係を大切にすること。~(石坂さん)

~この会は、当事者と非当事者が目の前でやりとりすることで、ネットでは炎上しかねないことも理解しあえることができる面白い企画だった。~(島田さん)

~人は皆マイノリティであり、多様なマイノリティがいることに気づかせてもらえた企画に感謝する。~(エディさん)

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映像アーカイブ


 

チラシはこちら

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