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アドボカシーカフェ「原発事故のもとで成長する子どもの権利を考えよう」

 
当日はお忙しい中、46名の方に参加いただきました。
吉野さん・荒木田さんのお話に皆さん熱心に耳を傾けられ、関心の高さがうかがわれました。
報道などで福島の現状を耳にする機会はありますが、報道では伝えきれない現地の生の声を聞く事ができました。

子どもの権利というと、「権利には義務が付いてくる。権利ばかり主張するな。」という方もいらっしゃるそうです。しかし、子どもが安全に健やかに成長する権利は大人が環境を調えるという義務とセットです。
原発事故が起きてしまった福島でそして日本で暮らす子どもの権利・未来について、
私たち大人が真剣に考えていかなければならないと思いました。

■日 時: 9月5日(水) 18:30~21:00
■場 所: 新宿区歌舞伎町2-19-13 ASK ビル4F 会議室 (地下鉄・東新宿駅5分)
■登 壇: 
吉野裕之さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)
荒木田岳さん(福島大学行政政策学類・准教授、福島大学・放射線副読本研究会メンバー)
大河内秀人さん(SJF、江戸川子どもおんぶず、原子力行政を問い直す宗教者の会)



◆吉野裕之さんのお話し
妻子を避難させ、1人福島に残って福島の子どもを放射能から守る活動を行う中での現状をお話いただきました。


『まず、数字で放射能について見ていきたいと思います。0.6〜2.2μSv/hの放射線管理区域とは、人が放射線の不必要な被ばくを防ぐため、不必要な立ち居史を防止するために設けられる区域をさします。昨年の4月5日・6日・7日と県北部の全ての小中学校の校庭の真ん中で放射線計ったら、99%が放射線管理区域という結果がでました。3月中に計っていたらもっと線量は高かったでしょう。邪推をすれば、放射性ヨウ素の影響が下がってから計測したのではと思ってしまいます。

 そのため、行政は頼りにならないということから市民団体で集まりました。当初は線量が高い事から、心配される保護者が多く、避難先を探すという状況でした。その状況をサポートするため、全国から避難の情報が寄せられ、それに則って沢山の方が避難できました。しかし、今私たちは保養をすすめています。避難できる人はもう避難していて、今福島に残っている人は色々な事情を抱えて避難できない人。そのため、その人たちに避難・疎開というとその人たちを追いつめることになる。ですから、誰でもアクセスしやすいように保養と班の名前も変えています。

 文部科学省は、学校生活における今年度の被ばくは1ミリシーベルト以下を目指すと言っています。
しかし、3つトリックがあって1つ目は今年度ということによって3月の高い線量はなかったことにする。2つ目は学校生活とすることによって、学校の中だけの目標にする。そして3つ目にあくまでも「目指す」ということで絶対やるというわけではない。

 私が住んでいる福島市を見てみると、半数以上の地域で5mSv/年以上です。
年間5mSv以上被ばくして、ガンや白血病になると労災認定になります。それ以上の状態の中私たちは生活しています。子どもたちはガラスパッチという外部被ばくを計る線量計を身につけて生活しています。昨年の9・10・ 11月の合計0.5mSvが福島市内の町中で生活するごくごく一般的な子どもの数値です。単純に×4すれば年間2mSv、一般公衆の被ばく限度は2011年3月10日までは年間1mSvが国際基準であり、日本の法律でも定められていました。そして、今はその倍。しかも去年の3月は非常に高い線量だったので、実際はもっと高いと思われます。また、これはあくまでも外部被ばくで食べたり飲んだりの内部被曝は含んでいません。

  子どもは大人と比べて5〜6倍放射線に弱いと言われています。そのことを換算すると子どもたちは放射線業務従事者の50倍以上のところで暮らしている事になります。


 福島市は伊達市や南相馬市とちがって、子ども・妊婦の基準を設けず高い被ばくを許容しています。伊達市・南相馬市は子どもや妊婦の基準を設けたため沢山の方が避難できました。福島市は「避難は、地域の経済を縮小させるので除染でいきます」と説明会ではっきり言いました。しかし、除染も遅々として進まない状況です。

 そんな中、今進んでいるのは屋内遊び場の整備です。これは体を動かすことができなくて、食欲がわかず食べられなくて、体重が減る子どもが多いからです。研究者によると、全国の子どもの平均の体重の伸び率の1/4になっているそうです。
 それは筋肉の問題、骨密度の問題はもちろんのこと、運動不足による脳の発達の遅れも懸念されます。屋内遊び場がどんなに整備されようと、子どもが自然の中で遊び様々な経験をする権利は奪われたままです。

 だからこそ一時でも、子どもを屋外の自然豊かな所で保養させることは大事です。これに対しては、全国の方の善意で沢山のプログラムが作られています。県外に自分たちのことをこれだけ思ってくれる大人達がいるということがわかることは子どもたちにとっても良い勉強となります。保護者によっては、放射能を気にしていたら生きていけないという人もいます。子どもたちに均等に機会を作っていくためにはクラス単位で一定期間保養に出るという制度をつくるしかありません。1ヶ月保養すると、生物学的半減期で体内が浄化されると言われています。1週間・2週間を単位に年間2カ所・3カ所いって期間をかせぐしかありません。』
 
 
◆荒木田岳さんのお話し
 福島大学で教鞭をとりながら除染活動をし、「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本」を執筆された中での現状をお話いただきました。


『私は縁もゆかりもない福島に来て13年目を迎えました。そろそろ、家を立てようと思っていた矢先に震災にあい、妻子は避難させて私だけが福島に残って生活しています。私は福島の状況をとてつもなく憂えているので、これが福島の意見と思わず1人の人間としての意見と思って聞いてください。

論点1:被ばくによる影響に関する見解が分かれている中での父親としての判断
 新潟に住んでいたときに巻原発が爆発したときのシュミレーション地図を作れと言われて、チェルノブイリの地図を持って来て、新潟に合わせると新潟どころか日本中が被害の範囲に含まれてしまうほど広い範囲の汚染でした。これをみてチェルノブイリは相当大きな原発だと思ったんですが、あろうことか新潟県内の柏崎刈羽原発が世界最大の原発と聞きビックリしたことを覚えています。
その経験があったからこそ、震災の時私は真っ先に逃げ出しました。
わからないことがほとんどですが、下記のことは誰もが否定できないことだと思います。
 ①放射線は低線量でも浴びれば浴びるほど危険(ICRPでさえも認める共通認識)
 ②自分がこれまでにどれだけの線量を浴びているか、ほとんど誰も知らない
 ③チェルノブイリの経験を見る限り、驚くほど広範囲に被害が及んでいる
 ④予想もしない未知の災厄に見舞われるかもしれない(わからないことが多い)
 もし避難が無駄だったとしても、「あの時は無駄なことしたね」と笑い話ですみます。ところが福島、国がとった政策は住民を避難させないということでした。住民が避難しないということを出発点に安全基準はつくられています。

論点2:様々な立場で分断されている子どもたちの様子
 福島での学校生活は二者択一の連続です。マスクをつけるか・つけないか。歩いて登校するか・車で登校するか。給食を食べるか・食べないか。子どもは概ね親の考え方に従うので、子ども達の各自の振る舞いが親たちの間にある対立を再現させます。
 また、学校給食が再開され子どもたちに食べさせることで、福島の野菜・米が安全ということをアピールされました。いわき市では小学生の描いた絵を使って、「安心・安全な水です・・・ゴクゴク飲みましょう」とアピールしました。
 子どもを避難させれば、当然親もついていくので、親を足止めするために子どもの被曝線量限度を引き上げたのです。
  
論点3 それぞれの取り組みに対する周囲、社会の反応
 震災直後家族と避難していると、妻のケータイに同僚から戻ってこいと恫喝の電話がかかってきました。他にも同じ様な目にあっている方もいて、私は避難者達のメーリングリストを作ることにしました。それを母体にして色々な活動が始まりました。
 去年の5月まだ政府が除染を言い出す前に、市民がボランティアで除染をやっていて、はしごを運ぶ車がないということで大学のトラックを借りて運んでいました。するとその場面がテレビで放映されてトラックの「福島大学」の文字が映し出されてしまい、大学側から呼び出されて除染活動は市民の不安を煽るからやめろといわれました。
 今年に入って、受験料をとらなかったためか福島大学の志願者が増え学長が嬉しそうに記者会見で「我々が積極的に除染をやったからだ」と言っていました。おそらくこうやって歴史はつくられていくのでしょう。

論点4:活動を通して接する外部の人々の協力や出会いから見えること
  印象としては、活動に対して県外の人ほど好意的です。
 県内は、8・9割は無関心・あきらめ、分断対立を作っているのは1割ほどです。
 しかし、分断対立している人たちは意見があるからそうなっているので、これからまだ話し合える
 チャンスがあります。しかし、無関心な人とは話し合えません。
  しかし、現地福島でこれからも語っていくことが重要だと思っています。


最後に東京の人々へ
 私は東京の人に福島を支援してくれというつもりはない、なぜかというと東京も少なからず福島と似た様な汚染状況だと思っているからです。空間線量が低いから放射能の影響を受けていないというわけではありません。たまたま雨が降らなかったか証拠として残っていないだけで吸っているかもしれないのです。東京も福島と同じ立場に立ってこれからもつながっていただければと思います。
 

■ 映像アーカイブをご覧いただけます。


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以下は告知時の情報です。
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(クリックでチラシが開きます)(photo from http://www.paylessimages.jp/ )

原発事故のもとで成長する 子どもの権利を考えよう


開催日: 9月5日(水)18:30~21:00 (18:00 開場予定)
場 所: 新宿ASKビル4階会議室 (新宿区歌舞伎町2-19-13)  http://g.co/maps/g766h
     大江戸線・副都心線 東新宿駅 徒歩5分

登壇者: 吉野裕之さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)
     荒木田岳さん(福島大学行政政策学部 准教授、福島大学 放射線副読本研究会メンバー) 
     大河内秀人 (SJF運営委員、江戸川子どもおんぶず、原子力行政を問い直す宗教者の会)

 原発事故以来、特に福島県の地域コミュニティでは簡単には片付けられない問題が起こっています。その一つが、「子どもの生活」 をどのように考えるのかということです。
 放射能被害を避けるために汚染地域から離れるべきだという意見や、被ばく量を最小限度に抑えた上で地域に留まらざるを得ないという意見などがあり、その内容も、親、地域コミュニティ、地域外の市民、行政など、立ち位置や価値観により様々です。
 今回は、事情で避難できない大勢の子どもの疎開や一時避難の手助けをしている吉野裕之さんと、2011年10月に文部科学省が作成した放射線副読本の課題を指摘し、この問題を分かりやすく提示した「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本」作者の一人である荒木田岳さんをお迎えします。
「原発事故下で成長せざるを得ない、子どもたちの権利」をテーマに、私たちの出来ることは何なのか、参加者の皆さんも交えて考えていきます。30人程度の参加者も含めた議論型のカフェになりますので、お申し込みはどうぞお早めにお願いいたします。

■資料代:800円 少人数の会(30名限定)になりますので、ご関心のある方はお早目のお申し込みをお願いいたします。

★ お申し込みはこちらから
http://socialjustice.jp/201209.html

または TEL:03-5941-7948 FAX: 03-3200-9250
     お名前、ご所属、お電話、電子メールアドレスをお伝えください。

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