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ソーシャル・ジャスティス基金 第12回助成先(2023年助成公募)審査結果

 

公募テーマ:
―次の両テーマとも、未来を担う世代が中心になって取り組む活動を積極的に支援―

  特設テーマ:「日本におけるジェンダー平等の実現を目指す取り組み」 

※『性暴力、性搾取をめぐる問題』または『セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ』に取り組むアドボカシー活動を積極的に支援。

  基本テーマ:『見逃されがちだが、大切な問題』に取り組むアドボカシー活動

助成決定額:総額553万5千円(1事業最大100万円)。

助成決定先:6事業(下記)。

※助成公募を23年9月に行い(公募の概要はこちらから※ご参考)、有効応募総数58件より書類審査を通過した申請者への面接審査を経て決定。

助成期間: 2024年1月から1年間以上2年間以下。

 

#YourChoiceProject

地方女子学生の進路選択のジェンダーギャップを解消するための調査・発信事業(助成期間:1年間、助成額70万円)

【事業概要】

 地方女子学生の大学進学に挑戦する選択肢を狭める根本原因となるステレオタイプ・バイアスを地方高校生や保護者等へのインタビュー調査により明らかにし、本人・保護者・教師・地域住民や学校・自治体等のステイクホルダーがそれを理解し、解消できることを目指す。この調査を基に、教育分野のジェンダーギャップを包括的にまとめた白書を作成し、ステイクホルダーに発信し、講習や配布などを行い、施策や環境・社会の改善に取り組む。日本のジェンダーギャップ指数は政治・経済分野で著しく低いが、その分野で女性が力を発揮するための土台となる教育分野でのジェンダーギャップ解消による根本解決に貢献する。

選考骨子

・日本の政治・経済分野での著しいジェンダーギャップ解消の土台を教育分野でのジェンダーギャップ解消と捉え、とくに地方女子学生が大学進学の選択で直面する困難に焦点を当てている独自性は当事者ならではの視点だ。
・本テーマが当事者以外の理解・共感を得ることが非常に難しいこと、また、様々な境遇の方との対話を通じて多様な仮説を聴き取ることが重要であることを認識しており、伸びしろがある。
・地域格差や学歴社会など多くの課題が背景で交錯している問題であり、こぼれ落ちる視点を減らす工夫に努め、調査分析が深まることを期待する。

 

NPO法人CoCoTELI

精神疾患の親をもつ子どもの“こえ”を可視化するWebメディア(助成期間:1年6か月間、助成額83.5万円)

【事業概要】

 こども全体の15~23%いると言われている精神疾患の親をもつ子ども・若者支援は日本では空白領域だ。精神疾患に対する偏見、家族主義の強さ、子ども自身が置かれている状況の自覚・言語化が難しい等により多くの当事者が見えない存在となっている。そういった当事者に社会側から気づきサポートする仕組みを政策提言により構築していくことを長期的に目指す。それを見据えたオフラインの居場所づくりへの土台として、地域を超えたオンラインでの居場所づくりや支援を行っている。当事者の“こえ”を聴き、社会に届け、社会課題としての認知向上やプレイヤーの増加を図るWebメディアの構築を進める。

選考骨子

・長期的なロードマップが明確であり、今後の展開に期待する。
・子ども家庭庁が発足し、子ども・若者の参画が重視されるなか、社会から見つけられにくくかつ自分では声をあげづらい子どもたちの声を、当事者が行政会議に入って届けようと努めていることを評価する。
・地域の多機関連携を図っており、本課題を抱える子どもを社会側が極力早く見出して支援につなげる仕組みづくりを構想していることも評価する。

 

NPO法人ピルコン

『日本におけるジェンダー平等に基づく包括的性教育についてのアドボカシー事業』(助成期間:1年3か月間、助成額100万円)

【事業概要】

 日本の人口妊娠中絶は年間約13万件に及び、若年層における性感染症の蔓延や子どもへの性暴力被害も高い水準で続いており、生後間もない乳児の遺棄事件も後を絶たない。セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)に関連する日本の政策において、人権尊重と科学的根拠に基づく包括的性教育が実施されることを目指す。海外の実施状況等の調査を基に、日本における課題を整理し、啓発活動を通じて多様なステイクホルダーとのゆるやかな連帯をつくり、政策提言を行う。啓発では専門家とも連携してファクトチェックを行った情報を発信し、若者や保護者の包括的性教育へのニーズを高める機運をつくり、前向きに取り組む教育関係者をサポートする。

選考骨子

・人権教育に基づく性教育が進まない中、調査・市民社会への発信・政策提言までの流れが計画されておりインパクトがある。
・活動実績を積み重ねている上、新しいアイディアで活動を続けている。多様な人々を巻き込む力が更に活かされるものと期待する。
・教育現場の多忙さに配慮した性教育サポートや、ユネスコの難解なガイダンスを広く市民に伝える分かりやすい発信や、現行のいのちの安全教育をベースにした包括的性教育の提案方法など、きめ細やかな活動に敬意を表する。

 

NPO法人School Voice Project

インクルーシブ教育/学校DE&I推進のためのアドボカシー活動~マイノリティ当事者/支援者団体と教職員団体の対話・連帯を力に~(助成期間:2年間、助成額100万円)  ※DE&I;  Diversity Equity & Inclusion

【事業概要】

 学校現場は非常に多忙で逼迫した状況にある。多様な子どもたちを包摂できる学校環境をつくるために、教職員ネットワークがマイノリティ当事者や支援団体と連携して改善に取り組む。連携団体との関係構築と相互理解を図るなかで、当事者や支援者及び教職員に向けたヒアリング等を行い、学校現場における“排除”の現状を可視化し、必要な施策を検討する。当事者の声を教育行政関係者や教職員が聴き、学校現場の声を広く市民が知る公開イベントも開催する。これらを踏まえ、課題別の具体的政策や基盤整備の包括的政策を共同提言としてまとめ、広く社会に向けた発信と、文科省・教育委員会・政治家へのロビー活動を行う。

選考骨子

・課題山積の学校教育を変えるために、現場の教職員と外部の支援団体が協力する意義は大きく、困難を抱える子どもたちの声を生かした活動になることを期待する。
・人権教育に深い知見と経験のある方々が参画しておられる。
・今後の改善政策を現場に具体的に落とし込んでいく動きにつながる。

 

ふくおか摂食障害ともの会

摂食障害の当事者の実態把握と支援のあり方の検討、当事者のエンパワーメントを促すコミュニティの構築(助成期間:2年間、助成額100万円)

【事業概要】

 摂食障害は社会的要因との関係が深い疾患で患者数は増え続けている。支援や情報を得ながら回復に向かえるよう、当事者の実態やニーズを調査し、医療・福祉などの関係機関と課題を共有して支援のあり方を検討する意見交換の場をつくる。摂食障害拠点病院のある福岡県における病院・行政・当事者・支援者の協働が好事例として全国に展開されることを目指す。当事者の孤立を防ぎエンパワーメントを促す場としてWebコミュニティを形成し、経験者の回復ヒントの共有や、多様なロールモデルと出会い交流ができる場とするとともに、ニーズを継続的に把握する。これらを基に、当事者の実態を発信する白書を作成し、コミュニティ参加者の増加や社会的な認知拡大を図り、政策提言の根拠とする。

選考骨子

・摂食障害を抱えている人は身近に多いが、カミングアウトしにくく看過されてきた問題であり、向き合うことは非常に重要だ。
・摂食障害の背景には社会的要因があり、実態把握・支援のあり方の検討・コミュニティ構築・政策提言への取り組みは喫緊の課題だ。
・拠点病院のある福岡地域で活動の足元を固め、先行事例をつくりつつ、全国展開も視野に入れた展開を期待できる。

 

ふぁみいろネットワーク

精子提供・卵子提供・代理懐胎で家族形成を行う当事者の経験から生殖技術の社会的公正を考える(助成期間:2年間、助成額100万円)

【事業概要】

 不妊・LGBTQ・高齢・非婚などの多様な背景を持つ人々が、精子提供・卵子提供・代理懐胎で親になっている。これらの生殖技術については、生まれる子やドナー・代理母の権利を守るうえで問題点が指摘されてきたが、倫理的な課題に向き合う親たちの実際の取り組みは着目されてこなかった。本事業では、親になる当事者の手記の出版と教材作成を通して社会との対話の場を開き、生殖技術にまつわる成熟した議論の土壌形成を目指す。これにより、親・子・ドナー・代理母それぞれの権利擁護と、多様な家族が尊重される社会の形成に寄与したい。

選考骨子

・議論が熟さないまま技術が発展している中でも、身近な問題として考え丁寧に議論することは重要だ。
・異なる意見や多様な立場への深い配慮があり、社会的対話を促進する基盤となりえる。
・ステイクホルダーそれぞれの権利を尊重する姿勢が徹底されている。

 

 

ご案内:ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)助成発表フォーラム第12回

~2024年1月19日13時30分から開催します。詳細や参加申込はこちらから。ぜひご参加ください~

 

 

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