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 第7回目の助成先が決定されました。

 有効応募総数34団体(助成公募の概要はこちらをご覧ください)。書類による1次審査と、面接による2次審査により、次の2団体に決定されました。

【助成期間】 2019年1月から12月

【助成額】 各団体100万円

【公募テーマ】「見逃されがちだが、大切な問題に対する取り組み」を対象とするアドボカシー活動

【助成先】                        

特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク

『移住者による移民政策 ―市民立法としての移民基本法の制定を目指して―』

~公益財団法人庭野平和財団との協力による助成です~

 ◇事業概要: 本事業の目的は、「移住者の権利キャンペーン2020―ここにいる koko ni iru.―」という政策提言事業を通して、移住者は入国「管理」の対象ではなく、この社会を構成する一員として「ここにいる」ことを伝え、その声を政策提言に反映させる機会を作り出すことである。

 具体的には、移住者を担い手として、移住者が日本に定住する市民であることを前提に、その生活を包括的に支える「移民基本法」の制定を目指す。そのための手法として、新しい政策提言発信媒体を作成し、中高生にも理解しやすい内容にする。また、政策提言発表のための場を広げ、これまで移住者の問題に関心が薄かった潜在的な層まで到達できるようなフォーラム等を企画する。さらに、プレイベントの一つとして、労働現場からのさまざまな視点から、今の状況をみるというプレフォーラムを行い、フォーラム当日の分科会は15の分野を準備し、包括的に日本に暮らす移民を取り巻く状況について考える。

 ◇事業の背景・重要性: 日本政府は2018年6月に骨太の方針を閣議決定し、否定し続けてきた大規模な「外国人材」受け入れの方針を打ち出した。一方で、政府の移住者に対する方針は過去30年間変化なく、入国・在留管理に偏り、日々の生活を保障する政策はほとんどない。しかし、この間にも移住者の定住化よって外国にルーツをもつ子ども達の課題をはじめ、問題の裾野も広がっている。こうした長年の課題を放置し、労働力のみを期待して受入れるのは社会課題の増大を意味し、社会正義に反していると言える。欧米諸国中心とした移民受け入れ国にある差別禁止法や移民基本法なども整備されていない。

 いま市民社会が対案を出さなければ、「外国人材の活用」終了とともに移住者を使い捨てる政策が繰り返されてしまう恐れがある。80年代からの外国人労働者受け入れの経験を直視・教訓化し、移住当事者を担い手としたアドボカシー活動の実施が必要である。

 

 ==選考骨子== 

 当事者である移住者の声を反映させ、市民を巻き込みながら、移住者の人権を保障し生活を支える法制度を、市民社会のなかから案を出していくアプローチは重要。また当事者との接点を持ち、丁寧に活動している団体の力量を評価。時期的に、地域に移住者の方たちが増えており外国にルーツのある子どもたちの課題は喫緊だ。さらに、政府が大規模な外国人受け入れの方針を打ち出しており、それが労働力としての使い捨てに終わらず、これまでの入国・在留管理に偏った、生活における人権保障が不足した移住者に対する政策を転換する契機になるかが注目される。また東京オリンピックがあり多くの外国人が来日するなか、市井の日本人の国際感覚が問われているという点も鑑みた。

 

 

特定非営利活動法人 国際子ども権利センター(C-Rights)
 子ども自身によるアドボカシー促進のための子どもの権利普及事業 ~マイノリティの子どもに焦点をあてて~』

◇事業概要: マイノリティの子どもであっても差別されずに平等に権利が保障されること、特に不当な扱いを受けたときには意見を表明してもいいことを、子ども自身と教員や関連団体の職員等が理解できるようにする。そして、その事例を広く公開し発信することで全国の子どもたちが自分の権利を訴えてもいいという意識を持てるようにする。

 当団体が出版する『子どもたちが自分の権利を守る30の方法(仮)』を活かし、マイノリティの子どもたち自身がより生きやすく、差別によって様々な機会を奪われることをなくすことを目指す。そのために、教員がこの本を活用できるようになることを目指しセミナー等を行う。また、本書を使ったワークショップを通じて、特に子どもの権利を侵害されているマイノリティの子どもたちが自分の権利を知り、子ども自身が権利を使っていけるような学習機会をつくる。この機会は自分がマイノリティか分からない子どもにも開かれたものとする。その過程で子どもたちの意見等をまとめた文書を作成し、学校関係者に提出したり、カリキュラム改訂をアドボカシーすることなどにつなげていくことを考えている。

◇事業の背景・重要性: 2019年は国連で子どもの権利条約が採択されてから30年、日本政府の条約批准から25年になる。しかし学校において子どもの権利が十分に普及しておらず、いじめを受けたり、教員から不当な扱いを受けている子どもたちがいる。特に意見表明権や集会結社の自由など、子どもが参加の権利を知らされないため、子どもたちが自分の意見、思いを言えないことが多々ある。また、多様な生き方や学びの権利を知らされず、どうしても学校に行かねばならないと考えたり、自分のありのままを表現すれば差別されると考えて自殺に追い込まれたりしている。子ども自身と教員や教育関連団体職員が子どもの権利を理解し使えるようになることが喫緊の課題となっている。

 

==選考骨子==  

 どもの権利条約は今の日本で非常に重要である。当事者である子ども自身の声を最重視し、とくに重複差別を受けているマイノリティの子どもに焦点を当てている点を評価する。市民を巻き込む姿勢があり、認知を社会に普及させ、子どもに関わる人たちが活動しやすい社会の土台作りとなる点についても評価する。

 

◇◆◇ 助成発表フォーラム 第7回◇◆◇

20191月16日に開催しました。報告はこちらから

 

 

 

 

 

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