このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed
LINEで送る

ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第12回助成中間報告

NPO法人#YourChoiceProject(2024年6月)

助成事業名・事業目的

地方女子学生の進路選択のジェンダーギャップを解消するための調査・発信事業

 地方女子学生が「地域」「性別」の二重の壁を目の前に、進路選択において様々なジェンダーギャップに直面している問題について、課題の実態や有効な施策を明らかにするとともに、このような問題が広く人口に膾炙し、社会問題として認識されることを目指す。

 日本の難関大の女子比率は著しく低く、これは海外の難関大学の男女比がほぼ半々であることをふまえても極めて異例で不公正な状況であるが、そもそも女子比率が低いこともあまり知られていないばかりか、特に地方女子学生が首都圏女子学生や地方男子学生と比較して難関大学に進学しにくい状況にあることは意識すらされていない。また、そのような課題に直面する地方女子学生に対して、周辺のステイクホルダー(保護者や教師、地域住民など)が課題を把握せず無意識に悪影響を与えているケースが散見される。

 したがって、調査・発信事業の目的は、地方女子学生の難関大進学を阻む根本的な原因となるステレオタイプ・バイアスを明らかにし、課題について幅広く発信することを通して、当人たちを含む周辺のステイクホルダーが、それらを理解し、解消できるような環境・社会を整備することである。

 

助成金額 : 70万円 

助成事業期間 : 2024年1月~24年12月

報告時点までに実施した事業の内容: 

 調査事業では、全国からおよそ30名の地方女子学生や男子学生・保護者、首都圏学生へのインタビュー調査を行った。
 また、発信事業として、進路選択上のジェンダーギャップを包括的にまとめた白書の内容を確定し、執筆に励んでいる。

 

今後の事業予定 : 

 申請当初はすでに白書を完成させる予定であったが、インタビューが十分でないことおよび白書のためのリサーチも十分でないことから、7月から8月ごろの完成を目指して執筆作業を進める。
 焦って不十分な白書を出してしまうよりも、しっかりと満足のいくクオリティのものを完成させた方が良いという判断からである。

 

助成事業の目的と照らし合わせた効果・課題と展望:   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるか。

(1)当事者主体の徹底した確保

 インタビュー対象の確保が課題であった。学生への謝礼金をしっかり用意すること、および地道な高校校門前等でのチラシ配布等によって対象者を確保した。

(2)法制度・社会変革への機動力

 「政策の流れ」に関しては①団体の信頼性を向上させること、「政治の流れ」に関しては②政策関係者を紹介してもらうことを通して課題を解決しようと考えていた。①に関してはNPO法人格の取得、メディア露出、ホームページの充実によって順調に進行している。②政策関係者の紹介に関しても、内閣府担当者や政治家へのリーチに成功している。

(3)社会における認知度の向上力

 白書公開時に、記者発表を行うことによって、メディア(特に今までリーチできていないテレビなど)への露出を目指す予定である。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 自治体との関係構築が課題である。これについては、白書が完成次第、積極的に取り組む予定である。すでに複数の自治体と関係構築はできており、より友好な関係を目指して活動していく。

(5)持続力

 チーム体制を新たに整えたことで、メンバー一人一人の負担を軽減し、より持続可能な体制を整えることに成功した。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 女子学生当人および保護者等に蔓延る根強いジェンダーステレオタイプやバイアスが要因である。これらのステレオタイプやバイアスは、意識下・無意識下どちらにも存在しており、非常に払拭が難しい。また、解決が進まない要因は、国や自治体にとってこれらが重大な課題であると全くもって認識されていないことにある。

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。

 当法人で行うメンタリングコミュニティを通して、地道に地方女子学生本人が持つステレオタイプやバイアスの払拭に貢献したい。また、その周囲の人々(保護者や行政関係者)に向けて、白書を通してアプローチしたい。

(3)そのような貢献にむけて、どのような活動との協力/連携が有効だと考えるか。

 各自治体の男女共同参画に向けた取り組みや、学校での進路指導との協力・連携。■

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed
LINEで送る