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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第11回助成

明日少女隊(Tomorrow Girls Troop)
SJF助成事業第2次中間報告(23年12月

 

助成事業名:『明日少女隊 個展  

 明日少女隊はこれまで、性犯罪の刑法改正、広辞苑の「フェミニズム」の定義の改訂、アート界のセクハラ、「慰安婦」をめぐる議論など、多岐にわたる日本のフェミニズムの課題について、アートとアクティビズムのプロジェクトを展開してきた。
これまでの明日少女隊の過去の作品の展示を東京で開催し、日本の女性問題を広く学べる場を提供する。
日本と東アジアの若年層の女性や性的少数者に向けて、ジェンダー問題の啓蒙活動を行い、ジェンダー平等な世の中を目指す。具体的には、アート作品の制作と発表、マーチのオーガナイズ、署名運動、市民参加型のワークショップ等、アートやデザインの手法を取り入れて問題解決を目指すアクションを行う。

 

助成金額 : 300万円

助成事業期間 : 2023年1月~2024年12月 

実施した事業と内容:  

 2023年7月21日から8月6日まで、東京の北千住にあるギャラリーBUoYにて、個展を開催し、想定を上回る372名が来場した。

 個展では、ニュージャージーシティーカレッジ教授であり、美術史家の由本みどりさんをキュレーターに招き、個展開催と同時にアートダイバー社から出版した本も販売した。

 東京芸術大学でのレクチャーを、個展開催の直前にすることで、当初の目的だった、日本のクリエイティブ業界の若年層の女性を多く招くことができた。
複数のメディアからインタビューも受けた。

記録として個展内容を紹介する動画も作成した(視聴はこちらから)。

ASTA

(写真=明日少女隊 個展の一角 メッセージの翼をリボンにつなぐ *上掲の動画より)

 

今後の事業予定 : 

 今回の個展がきっかけで、2024年には、アメリカの東海岸にある大学3校での個展とレクチャーが決まった。キュレーションを手がけてくださった由本みどりさんが、アメリカ帰国後、知り合いのキュレーターに、東京での展示の様子などを報告してくださったためだ。

 3校はState University of New York SUNY Old Westbury、New Jersey City University (NJCU)、University of Connecticut。また、ニュージャージーのフォートリー市にある慰安婦像の前でのパフォーマンスも決定した。

 個展に来ていたフランスのジャーナリストから慰安婦問題についてのパフォーマンスについて取材され、フランスの雑誌へ近日掲載されることとなっている。

 当初の予定では、日本国内の地方のギャラリーで巡回展をしたかったが、国内からは声は掛からなかった。

 

助成事業の目的と照らし合わせ 効果・課題と展望   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例を挙げた。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるかを記載。

 とくに、助成申請書の3-5で5つの評価軸について記載した「課題と考えることとそれへの対策」に関連させて、どのように変化したのかも記載。

(1)当事者主体の徹底した確保 

 クリエイティブ業界の性差別が深刻な中、アート業界にアプローチし、多くの女性、性的マイノリティーのクリエーターたちが会場を訪れた。

(2)法制度・社会変革への機動力

 参加型のジェンダーギャップ指数パフォーマンスを個展会場ないで展開し、刑法性犯罪、「慰安婦」問題、トランスジェンダーの問題などを訴える作品を展示することで、多くの観客に社会改革への機動力を与えた。

(3)社会における認知度の向上力 

 マスメディアに多く呼びかけ、普段はジェンダー問題にあまり積極的ではないアート系の媒体でもとりあげられた。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 「慰安婦」問題に関する作品の展示もあり、当初はいろいろ心配していたが、攻撃のようなものはなく無事に展覧会を終了できた。

(5)持続力 

 既存メンバーは引き続き活動を継続している中、個展をきっかけに2人の新しい隊員の入隊があった。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 アート業界においては、ジェンダー問題に関して見て見ぬふりをする大多数と、一部の、女性を虐げることで利益を享受している男性たちが、権力をもっていること。

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。 

 展覧会を訪れた多くの方が、明日少女隊は希望だと言ってくれた。女性中心のアート活動は継続が難しいため、今後も引き続き活動を続けることが何よりも貢献になりそうだと感じた。

(3)この助成をきっかけに実際に連携が進んだことはあるか、あるいは今後具体的な計画はあるか

 ニュージャージーの由本みどりさんとの連携のおかげで、東海岸での展覧会ツアーが決定した。日本はまだまだ、海外で有名になったアートを逆輸入するスタイルが色濃く残っていることを考えると、長期的にみて私たちの活動が海外で評価されることは、翻って日本での知名度が上がるため好ましい。    ■

 

 

 

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