ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)アドボカシーカフェ第44回
政治と放送
視聴者の信頼は
~終了しました。報告はこちらから~
今夏の選挙が近づくにつれて、政府による放送への関与はどう変化するのでしょうか。今年2月、総務省は放送電波の割り当てに言及した行政指導を放送局にしました。昨年9月には自民党の放送法の改正に関する小委員会からNHK受信料の強制徴収案が提出される等、さまざまな動きがあります。本来、だれのために、何のために、放送の公共性を理由に規制するのでしょうか。放送の公共性はどう担保すればよいのでしょうか。
放送を信頼していますか。よりよい生活をするために意思を表明し、合意を形成していくことに役立つ放送はありますか。世のなかに一人しかいない少数派の声を届けるメディアがなければ、市井に埋もれる声は増し、報道のリアリティは減ります。放送に問題があるとき、どこに是正を求めればよいのでしょうか。今日本では、放送事業者による自主自律的な規制がBPO(放送倫理・番組向上機構)によって担われていますが、政府と放送の両者から独立した第三者機関の設立を求める意見もあります。まず問題の全体像をとらえ、論点を整理してみましょう。そして政府の人にも、市井の人にも、放送事業者にもある表現の自由が、公正に扱われる放送のために、私たちはどうしたらよいのかゲストと考え対話してみましょう。
■ゲスト:
作家。1948年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中から執筆活動を開始。教育、テクノロジー、事故・事件・災害の現場を歩く一方、欧米や中国、アジア各地に足を運び、取材・執筆を行ない、東日本大震災後は大津波と原発事故の被災地に長期滞在し、新聞・雑誌やテレビで発言を続けている。87年、日航機墜落事故を描いた『墜落の夏――日航123便事故全記録』(新潮社)で講談社ノンフィクション賞受賞。99年、日本ジャーナリストクラブ大賞受賞。2011年、出演したNHK番組「奇跡の生還」が国際エミー賞(時事問題作品部門)を受賞。
現在は、日本ペンクラブ専務理事(2011~)。衛星放送協会オリジナル番組アワード審査委員長、民間放送連盟賞審査委員。06年には「デジタル時代のNHK懇談会」委員として公共放送再生のための提言を執筆・公表。07年から13年までBPO放送倫理検証委員会委員、委員長代行を務める。07年の関西テレビ番組捏造問題、08年の講談社「僕はパパを殺すことに決めた」出版問題では第三者調査委員会委員として調査・報告書作成に当たった。
主な著書に上記『墜落の夏』のほか、『死よりも遠くへ』(以上、新潮社)、『「事件」を見にゆく』『日本人ごっこ』『M/世界の、憂鬱な先端』(以上、文藝春秋)、『新聞で見た町』『路上のおとぎ話』(以上、朝日新聞社)、『散るアメリカ』(中央公論社)、『放熱の行方』(講談社)、小説『月のナイフ』(理論社)、『奇跡を起こした村のはなし』『ある漂流者のはなし』『ニッポンの心意気』(以上、ちくまプリマー新書)などがある。
1959年鹿児島生まれ。山口大学経済学部教授。鹿児島大学法文学部卒業後、名古屋大学法学部助手等をへて現職。専攻は、憲法学・情報法学、とくに電気通信法制の比較研究と現状分析。そこから見える日本社会の現状に関心がある。
著書の『現代メディア法研究』(日本評論社)では、戦後西ドイツのメディア状況と法制度・法理論を日本と比較した研究を集大成し、放送と通信の融合をキーワードに自由の諸相を検討、今後のメディア秩序を展望した。
テレビ局勤務を経て2001年に非営利の独立メディアOurPlanet-TVを設立。テレビでは放送されにくいテーマを中心に番組を制作・配信し、原発事故報道で2012年に放送ウーマン賞、日本ジャーナリスト会議賞、やよりジャーナリスト賞特別賞(メディアの役割)を受賞。著書に『メディアをつくる~小さな声を伝えるために』(岩波書店)ほか。
■コーディネータ:寺中誠さん(東京経済大学ほか講師/SJF企画委員)
■日時: 16年6月17日 (金) 18:30~21:00 (開場 18:00)
■会場:文京シビックセンター 4階 シルバーホール
東京都文京区春日1-16-21 (丸ノ内線・後楽園駅1分、三田線/大江戸線・春日駅1分)
案内図はこちらから
■参加費: 一般1,000円/学生500円 当日受付にてお支払ください。
■ご案内状:こちらから。
■主催・お問い合わせ先: 認定NPO法人まちぽっと ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)
東京都新宿区歌舞伎町2-19-13 ASKビル501、 Tel 03-5941-7948、Fax 03-3200-9250