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┏━━2012/11/01配信 メルマガ第13回の内容━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

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★1.【巻頭】委員長のひとりごと(上村英明)
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今夏は、豪州のメルボルンで過ごしたが、その間博物館となっている旧メルボルン監獄を訪れる機会が
あった。ここは、その国民的「無法者」、ネッド・ケリーが1880年に処刑された場所だ。ケリーの権力と
の闘いは幾度も小説化や映画化されたが、監獄跡では彼と仲間の犯罪歴も紹介されていた。例えば、仲間
の一人はアイルランドで靴を一足盗み、その罪で豪州に流刑になった。イングランドによる理不尽な司法
制度が周辺地域に及んでいたことが理解される。他方、豪州の最近の課題は、もう一つの犠牲者である先住民族アボリジニーの権利を明記するための憲法改正であった。紆余曲折を経るだろうが、大きな社会の枠組みが話し合われている。

目 次
★1. 委員長のひとりごと(上村英明)
★2.【SJF News】次回アドボカシーカフェご案内&2012年度助成先決定
★3.【コラム】わたしはこんな風に考える(黒田かをり)
★4.【今月の言葉】日本版プランド・ギビング(辻利夫)
★5.【今月はコレに注目】理想の国はいったいどこに - ブータン国民は幸せか?(轟木洋子)
★6.【コレを読まなきゃ】『銃・病原菌・鉄-1万3000年にわたる人類史の謎』(上・下)(上村英明)
★7.【関連団体イベント情報】
あああ•愛媛LGBT映画祭2012
あああ•「子どもの多様な学びの機会を保障する法律」学習会 in 関西
あああ• シンポジウム「受刑者の社会復帰を阻む高い壁~満期出所者を中心に~」
★ 8.【事務局だより】歌舞伎町の事務所にて
委員長のひとりごと以外のコラムは、毎回委員が交代で執筆します。

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★2.【SJF News】次回アドボカシーカフェご案内&2012年度助成先決定
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●第3回アドボカシーカフェ「(仮)市民主体の復興と多様なセクターとの連携-福島の事例から-」
日時:11月21日(水) 18:30〜20:40
ゲスト:菅野正寿さん(福島県有機農業ネットワーク理事長)
東日本大震災から1年半以上が過ぎました。福島第一原発事故のあと、行政の対応は立ちおくれ、
専門家の意見が分かれ、また情報も錯綜する中、自ら立ち上がり、地域で、あるいは県外と
つながりながら見えない放射能に向き合って来た人たちは少なくありません。
当日は、いち早く地域でつながり、放射測定を行って、安全な野菜づくりをして販売することで
自立し、さらなる発展をめざす活動をされてきた福島県有機農業ネットワークの菅野さんをお招きし、
市民主体の地域再生やこれからの福島についてお話いただきます。

場所など詳細は後日ご連絡いたします。

●2012年度SJF助成先発表会を行いました。
以下3団体が2012年度の助成先となります。

レインボープライド愛媛  【助成金額 96万円】
「地方都市・松山における性的マイノリティの理解を目指す社会対話の挑戦」
同性愛や性同一性障がいなど、様々な性的少数者* が自分らしく活き活きと生活できる社会を
目指して四国・松山で活動中。当事者に対する偏見が根強いなか「多様性を認めあう誰もが生きや
すい社会」実現のため、社会や行政・教育機関などへと働きかけを行っています。
*LGBT(ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字)と表現する場合もあります
http://rainbowpride-ehime.org/

NPO法人監獄人権センター 【助成金額 23.8万円】
「刑務所出所者の社会復帰を促進するための包括的な政策提言基盤整備」
刑務所、拘置所での被拘禁者の人権問題に関心を持った弁護士が中心となって1995年から活動して
います。今回の助成は「受刑経験者が社会復帰しやすい環境を実現するために、福祉団体、更生保護
団体、ホームレス支援団体、生活保護申請支援団体等の市民団体の経験を共有する意見交換」と、そ
の政策提言基盤整備事業を対象としています。
http://www.cpr.jca.apc.org/

多様な学び保障法を実現する会(旧名称:「(仮称)オルタナティブ教育法」を実現する会)
【助成金額 50万円】
「子どもの多様な学びを実現するための立法を目指す活動」
「子どもの多様な学びを実現するための立法」を目指したネットワーク型の団体。フリースクールや
シュタイナー教育、デモクラティックスクール、外国人学校、インターナショナルスクール、ホーム
エデュケーション等、既存の学校に通う以外の、多様な子どもの学びの在り方、育ち方を公的に認め、
支援を求めるための活動を行っています。
http://aejapan.org/wp/

*「原発事故による社会的弱者の支援」へのアドボカシー活動 は該当なしとなりました。

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★3.【コラム】わたしはこんな風に考える(黒田かをり)
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少し前のニュースになりますが、福島民友(8月27日)に福島市松川町に新しく出来たミネロ牧場という復興ファームの記事が出ていました。原発事故により、牛と牧場をおいて余儀なく避難させられ、生産休止に追い込まれた飯館村と浪江町の酪農家がここで酪農を再開しています。夏に北海道から乳牛45頭が到着、その後、さらに牛の数は増え、仔牛も生まれたそうです。搾乳も始まりました。ここには現在、飯館村と浪江町の酪農家が5名働いています。この牧場はNPO法人福島農業復興ネットワークが、ヨーグルトでおなじみのダノン社の社会貢献基金と県酪農業協同組合の協力を得て、運営しています。実はこの事業に至る事前調査に日本NPOセンターと私が所属するCSOネットワークが関わりました。5人の酪農家の様子はフェイスブックでご覧ください。
https://www.facebook.com/minerofarm
福島民友の記事はこちらから
http://www.minyu.co.jp/news/movie/120825/news1.html

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★4.【今月の言葉】日本版プランド・ギビング(辻利夫)
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画期的な認定NPO法人の寄付税制改正が実現した2011年度の税制改正で、合わせて導入されたのが、米国のプランド・ギビングの日本版といわれる特定寄付信託です。委託者には、主に信託の利子の非課税、譲渡益非課税、寄付の繰越控除の優遇があります。寄付対象となるのは公益法人と認定NPO法人で、信託銀行が寄付先として指定した団体です。
現在、三井住友、三菱UFJ、みずほの各信託銀行とりそな銀行で、合わせて28の公益法人、認定NPO法人が指定されています。このうち、複数の銀行から指定されているのは国境なき医師団日本、ユニセフ協会、 世界自然保護基金ジャパン、日本ユネスコ協会連盟、日本対がん協会、日本盲導犬協会、中央共同募金会、交通遺児育英会です
米国ではシニア層の寄付の多くがプランド・ギビングを利用していることから、昨年の導入時は期待をこめてマスコミで大きく紹介されました。全国の信託銀行の窓口で顧客に寄付制度の説明がされることで、寄付への理解や共感が広がるという効果も期待されました。しかし、今のところ申込者があまり現れていないそうです。信託銀行の各店舗があまり力を入れていないことが低迷の一因といわれています。

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★5.【今月はコレに注目】理想の国はいったいどこに - ブータン国民は幸せか?(轟木洋子)
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理想の国はいったいどこに。誰もが一度は考えることだ。
福祉の行き届いた北欧か。軍隊を持たないコスタリカか。はたまた、このところ「幸せの国」と報道されているブータンか。

私を含め、受動的に情報を受け取ることが多い人間には、テレビや新聞が大きな影響力を持つ。震災後、初の国賓として来日したのは、ブータンの若く気品に満ちた国王と美しい王妃だった。原発事故後、これまで前提としてきたエネルギーの大量消費に疑問を持ち始めた私達にとって、「国民総幸福量(GNH)」という概念を小国ながら世界に提起している国、そしてそこから訪れた見目麗しいカップルは新鮮だった。マスコミは、彼らが被災地を見舞い、東北の人々を励ます光景をただただ美しいニュースとして報道した。

しかし、一方で国民全員が民族衣装を着て「幸せです」と口ぐちに語る報道に接し、「いったい若者はジーンズを着たいと思わないのだろうか」「携帯電話やパソコンで世界の情報に触れたなら、違う価値観を持つ人が出てこないのだろうか」という素朴な疑問を持った。10人いれば10人が違う考え方を持って良いというのがいわゆる「自由」だとしたら、この国の人達はそれが許されていないのではないのだろうか。もしそうなら、それで幸せと言えるのだろうか。素朴な疑問だった。

そんな時、大阪産業大学人間環境学部のリングホーファー教授の「いつわりの『幸せの国』ブータン」というインタビュー記事を目にする機会があった。教授によれば、他民族国家ブータンはさまざまな問題を抱えているが、もっとも大きな問題はネパール系住民への弾圧であり、約13万人以上がネパールやインドへ難民として逃れているという(同国の人口は約68万人)。しかも、これまで世界のどのメディアもほとんど取り上げてこなかったそうだ。

国連によれば、難民とは「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人を言う。人口の約20%が迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れなければならない国が、本当に世界一幸福と言えるのか。

1993年からネパールのブータン難民を支援してきた日本のNGO「アフラ・ジャパン」は、「ブータン難民に対する世界的な無関心および国連の努力不足」を指摘している。
マスコミの報道を鵜呑みにせず、見落とされがちな問題にも関心を持ち、心を寄せていくことは、社会の中の弱者を切り捨てないために絶対に必要なことである。

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★ 6.【コレを読まなきゃ】『銃・病原菌・鉄-1万3000年にわたる人類史の謎』(上・下)草思社
ああああああああああああああああジャレイド・ダイアモンド(倉骨彰訳)2000年   (上村英明)
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先住民族の人権を扱う僕の周辺では有名な本だが、やっとこの夏読むことができた。しかし、これは人権を説く本ではない。筆者のダイアモンドはカリフォルニア大学の医学部の教授で、その問題意識は、人類の1万3000年の歴史の中で、「近代」文明を築く集団から現在も狩猟・採集に生きる集団まで、人類の多様な生活様式の違いがなぜ可能になったかを学問的知見を総合しながら説明することにある。その結論はやや人権的だが、この違いは、人間のもつ人種や民族あるいは遺伝的資質によるものではない。人間は、この広大な地球の自然環境の中で、さまざまな生活様式を編み出した。そして、その環境条件こそが、いわゆる「文明対野蛮」という間違った理解を生み出したさまざまな生活様式の真の原因であることを語っている。一読に値する。

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★7.【関連団体イベント情報】愛媛LGBT映画祭2012
「子どもの多様な学びの機会を保 障する法律」学習会 in 関西
シンポジウム「受刑者の社会復帰を阻む高い壁~満期出所者を中心に~」
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●第2回愛媛LGBT映画祭2012
日程:2012年12月1日(土)〜7日(金)
場所:シネマルナティック(愛媛県松山市湊町3-1-9マツゲキビル2F)
お問合せ:レインボープライド愛媛
e-mail:rainbowpride777@gmail.com
詳細:http://rainbowpride-ehime.org/Site/ehimeLGBTmoviefes2.html

●「子どもの多様な学びの機会を保 障する法律」学習会 in 関西
日時:2012年12月2日(日) 14:00~17:00
場所:大阪府立大学 中ノ島サテライト教室 大阪府立中野島図書館別館2F
(大阪府大阪市北区中ノ島1-2-10)
参加費:無料
お問合せ:大阪府立大学・教育福祉学類吉田研究室
「(科研)日本のシュタイナー学校」研究会事務局
e-mail:steinerkaken.a.yoshida@gmail.com
Tel:072-254 -9529
詳細:http://kokucheese.com/event/index/58226/

●シンポジウム「受刑者の社会復帰を阻む高い壁~満期出所者を中心に~」
日時:2012年12月16日(日) 14:00〜17:00
場所:青山学院大学青山キャンパス6号館1階4会議室
参加費:700円
お問合せ:NPO法人監獄人権センター
e-mail:cpr@cpr.jca.apc.org
Tel&Fax: 03-5379-5055
詳細:http://www.cpr.jca.apc.org/about/event#1090

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★8.【事務局だより】歌舞伎町の事務所にて
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ご存知かと思いますが、SJFの事務局は新宿歌舞伎町にございます。歌舞伎町といってもはずれの方なので、新大久保のコリアンタウンに近く、事務局近くのスーパーでは韓国語の呼び込みが聞こえて来ます。わりと賑やかな通りですが、竹島問題もあってか以前より人が減っている気がします。日本・韓国双方が対話をもって解決してくれるといいのですが。

運営委員のプロフィール
● 上村 英明 運営委員長
(恵泉女学園大学教授、市民外交センター代表)
● 黒田 かをり 副運営委員長
(一般財団法人CSOネットワーク 常務理事・事務局長)
● 轟木 洋子 副運営委員長
((財)ジョン万次郎ホイットフィールド記念国際草の根交流センター事務局長)
● うまごえ 尚子
(株式会社アスラン代表取締役)
● 大河内 秀人
(江戸川子どもおんぶず代表、NPO法人パレスチナ子どものキャンペーン常務理事ほか)
● 辻 利夫 
(NPOまちぽっと事務局長)
● 土屋 真美子
(NPO法人アクションポート横浜理事、NPOまちぽっと理事)
● 樋口 蓉子
(草の根市民基金・ぐらん運営委員長、NPOまちぽっと副理事長)
● 平野 光隆(ミタイ基金理事)
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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)

〒160-0021 新宿区歌舞伎町2-19-13 ASKビル5F(地図 http://goo.gl/GSTq7)
E-mail: info[a]socialjustice.jp  ([a]を@に変更し送信ください)
Tel: 03-5941-7948 FAX:03-3200-9250
URL:http://socialjustice.jp

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