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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第12回助成中間3次報告

特定非営利活動法人School Voice Project(2025年6月)

助成事業名・事業目的

インクルーシブ教育/学校DE&I推進のためのアドボカシー活動

 〜マイノリティ当事者/支援者団体と教職員団体の対話・連帯を力に〜

  • 最終目的

 すべての子どもが、日々安心してしあわせに学校に通い、必要なケアや支援を受けて楽しく学ぶことができる学校教育の実現。多様な子どもたちが、それぞれに自分らしく、混ざり合って学び育つことができる学校環境をつくること。

  • 本事業の目的

①アドボカシー活動の社会的インパクトを中長期的に高める基盤として、インクルーシブ教育を共に推進していく当事者/支援者団体と教職員団体のネットワークを構築する。

②当事者/支援団体と学校現場の対話を通し、インクルーシブ教育/学校におけるDE&Iを推進するための施策を共同提言としてまとめ、具体化・整理・見える化する。

③広く社会に向けた発信と、文科省・教育委員会・議員等に向けたロビー活動を行い、政策形成・政策変更につなげること。

 

助成金額 : 100万円 

助成事業期間 : 2年間(2024年1月~25年12月)

実施事業の内容: 

インクルーシブ教育・学校におけるDE&Iを共に推進していく当事者/支援者団体と教職員団体のプラットフォームが生まれる。

 プラットフォーム団体と協議を重ねた結果、これまでのプラットフォームミーティングを3月末で一旦区切りをつけ、4月以降は縛りをゆるやかにして新しい団体や個人も参加できるネットワークとすることで合意した。また、当面はSVPのプロジェクトに他団体が参加する形をとるが、本助成終了の年末くらいの時期をめどに任意団体として独立させる方向で合意形成をした。子どもの夢応援プロジェクト、DPI、にじーずは引き続きメンバーシップに入ってくれる方向。ReBitはロビイングができないため新たな団体には入らずに適宜連携。3keysは離脱。多様な学びプロジェクトに関してはプラットフォームミーティングに参加していた方が団体自体を抜けてしまったため、今後の連携については要調整の状況。

 

インクルーシブ教育/学校におけるDE&Iを推進するための施策が共同提言としてまとまり、具体化・整理・見える化される。

 「法律案(余り書き込みすぎるとロビイングしづらくなるとの知見を得たため、シンプルなもの)」と「個別具体策(国・文科省向け、自治体・教育委員会向け)」が完成した。今後も適宜ブラッシュアップは必要だと考えている。また、なぜその法律が必要なのか、なぜそれらの施策の優先度が高いのか、ということが分かりやすく伝わるような資料の作成も必要だと考え、Canvaのスライドにまとめることができた。(アドボカシーカフェで示した資料)

 

課題別の政策(ex,日本語指導・母語/母文化保障体制の充実、障害を理由にした地域の公立学校への入学拒否の禁止、不要な男女分けをなくす通知、異性愛を前提とした教科書記載の撤廃等)が具現化される。それに向けた機運が高まる。

基盤的な環境整備としての総合的/包括的な政策(ex,少人数学級の推進、スクールソーシャルワーカーの増員等)について、具体的なロードマップが敷かれるなど前進し、それに向けた機運が高まる。

 ③④については、まだ社会発信やロビイングを開始できていない。これからである。新法のロビイングに先立ち、新法と同様の理念を現在目下議論が行われている学習指導要領に盛り込みたいという話になり、7月中に共同提言をまとめ、共同記者会見を実施することになっている。その後は個別に与野党の議員周りをしていく予定。

 

<以下、実施したこと>

  • 内部MTG(マネジメントチーム、コアチーム、エンタク内)

・マネジメントチームのミーティングは概ね隔週で実施し、プラットフォームミーティングに向けた準備や行程管理などを行っている。

・コアチームミーティング(マネジメントチーム+担当理事)は適宜実施し、マネジメントチームで出た方向性の確認と修正を実施。

・プラットフォーム団体の協力を得て、オンラインイベント「マイノリティを含むすべての子を包摂する学校って?」シリーズを4回実施。
(3keys,ReBit,こどもの夢応援ネットワーク,多様な学びプロジェクトに話題提供をいただいた)

 

  • プラットフォームミーティングの実施

第2回:6/22(土)10時-12時 ※対面 【不登校】
12/21(土)10時-12時|高校入試の提言について

2/15(土)10時-12時|提言内容及び概要資料についての議論

4/25(土)20時-21時|団体立ち上げについて

5/16(土)20時-21時|仕切り直し初回

Kaida SJF
Kaida SJF
Kaida SJF

 

  • 個別ヒアリング等

・室橋祐樹さん(日本若者協議会)

・今村久美さん(認定NPO法人カタリバ)

 

  • ガイドブック作成(進行中)

 学校教職員及び教育行政関係者に活用してもらうことを想定し、学校現場における排除の現状(マイノリティ当事者の声)、学校現場においてインクルーシブ教育を進めるための基盤となる考え方(社会モデル、子ども参加等)、具体的な事例などをまとめ始めている。素材はあるのだがまとめ方に苦戦して進捗が遅れている。

 

  • その他

学校向けプログラムの実施予定(助成対象事業外):

 100日間を1期としてオンラインコミュニティを基盤に連帯しながら各メンバーが自分の職場で「学校のインクルーシブ化」に取り組むプログラムを実施中。このプログラムと、本事業(政策提言活動)が両輪となるイメージ。クラウドファンディングも実施し、予算に含んでいた50万円を調達することができた。

 

 

今後の事業予定 : 

  • 定例・継続:

 毎月:新・プラットフォームミーティングの実施(オンライン・2時間)
 内部:School Voice Project 内コアチームmtg、マネジメントチームmtg


 

  • 2025年=「社会発信」+「影響力の発揮」+「つながりの継続」がテーマ

6月:記者会見に向けた調整

7月:学習指導要領に関する記者会見を実施

   新法制定をメインとしたロビイング開始

9月:ガイドブック完成

10月:院内集会等議員向けイベント

11月:ガイドブック公開&フォーラムイベント(公開)

11月〜12月:協働団体との今後に向けた調整、活動報告など

 

 

助成事業の目的と照らし合わせた効果・課題と展望:   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるか。

(1)当事者主体の徹底した確保

 この間、スタッフの武田がSVPの業務外で実施した感覚過敏、ASD、会食恐怖症、トランスジェンダー、レズビアン、ヤングケアラー等の当事者インタビューの知見を共有することができた。またアドボカシーカフェも貴重な場であった。

(2)法制度・社会変革への機動力

 基本的な資料は完成しており、ネットワークを生かしてアポイントをとって国会議員へのアプローチをスタートする。協働団体からミーティングに参加してくださっている方の中にはすでにロビイング経験が豊富な方が複数おられ、戦略立案においては積極的に助言・貢献をいただいている。

(3)社会における認知度の向上力

 また、クラファンと合わせて協働団体とともにイベントを打つことを通して、課題を世の中に発信することが一定できた。アーカイブをSVPのウェブメディアに残しているため今後も適宜広報したい。任意団体立ち上げが年末になりそうなのでその情報発信はまだしばらくできないが、記者会見等のタイミングでメディア露出を狙っていく。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 離脱した団体も含めて関係構築はできたと考えている。議員や行政など交渉先とのやりとりは本格的に動き出すのは7月以降にずれ込むものの、現時点で既に“生煮え状態”で持ちかけても大丈夫な関係性の相手に関しては提言の内容をお見せして意見をもらっている。

(5)持続力

 課題である弊団体の財政基盤の脆弱さについては、団体の活動に共感してくれた人たちを有料オンラインコミュニティ参加や寄付を呼びかけていく。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 学校教育のリソース不足⇆教職員・教育行政および市民全般のマインドセット(子どもの権利の理解と社会モデル発想の不足)

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。

 当事者視点(マイノリティ当事者+学校現場の教職員当事者視点)に根ざした社会発信とロビイング。排除しない学校づくりのための指針・具体的方策のガイドブック化。

(3)そのような貢献にむけて、どのような活動との協力/連携が有効だと考えるか。

 プラットフォーム団体の一部とともに、任意団体を新たに立ち上げ、その後コンセプトに賛同してくれる団体や個人を募り、ネットワークを拡大していくことを目指している。 ■

 

 

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