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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第11回助成

にじいろCANVAS
SJF助成事業第3
次中間報告(24年6月

 

助成事業名:『にじいろみやぎ相談会・セーフスペースにじいろみやぎ開催、セクシュアリティと就労調査  

◆相談活動、居場所づくり活動を通して困難を抱えた性的マイノリティの課題解決を支援するとともに、そのニーズを把握し、持続的に支援可能な体制を構築する。

◆就労、特にその入り口となる学生時代の就職活動において困難を抱えてしまいがちな性的マイノリティの実態を把握し、キャリア支援の現場におけるジェンダー・セクシュアリティの扱いについての課題を明確化する。

◆上記活動・調査により明らかになった問題点を実際にキャリア支援に関わる機関と共有し、適切な対応がなされるよう働きかけることで、就職活動におけるジェンダー・セクシュアリティについての無理解・偏見に基づく不当な扱いをなくす。

 

助成金額 : 260万円

助成事業期間 : 2023年1月~2024年12月 

実施した事業と内容(2023年12月から報告時点までで)   

◆広報活動(にじいろみやぎ相談会/セーフスペースにじいろみやぎ)

 セーフスペースの報告はXで紹介していたが、セーフスペースはどんなところか問合せがあるので、スタッフがnoteにブログ風に紹介を載せて雰囲気を伝えるように工夫した。

 にじいろCANVAS note   https://note.com/2416canvas/n/n75d59def7a7c

 

◆にじいろみやぎ相談会

15)2023年12月11日(月)相談会17:30~20:30

 相談者人数1名

16)2023年12月23日(土)相談会13:00~18:00

 相談者人数1名

17)2024年1月27日(土)相談会13:00~18:00

 相談者人数3名

18)2024年2月12日(月)相談会17:30~20:30

 申込み人数1名 当日キャンセル

19)2024年2月24日(土)相談会13:00~18:00

 相談者人数1名

20)2024年3月23日(土)相談会13:00~18:00

 相談者人数3名

21)2024年4月8日(月)相談会17:30~20:30

 申込者0人

22)2024年4月27日(土)相談会13:00~18:00

 相談者人数1名

23)2024年5月25日(土)相談会13:00~18:00

     相談者人数1名

 

 相談会は、計23回開催し、相談者人数は22名(延べ人数計34名)であった。2~6回利用しているリピーターが6名いる。

 利用している年代は20~30代が6割をしめ、相談者のセクシュアリティはトランスジェンダー男性、トランスジェンダー女性合せて約6割をしめた。

 特徴的な相談は、親子で一緒にという相談が3件、性別違和を感じる児童とその家族から相談を受けた学校に出向き、対応に関わる先生方の相談を受けたケースが1件あった。また、これまで県内にあるセクシュアルマイノリティ団体と一切つながっていなかった方々の予約が入っている。

 

◆セーフスペースにじいろみやぎ

⑤2024年1月13日(土)13:00~18:00(13:00~13:30準備、7:30~18:00後片付け) 仙台市内レンタルスペースで実施。

 参加申込:11名 参加者:10名

 有償コーディネーター:3名 ボランティアスタッフ:1名

 ゲスト: 1月と3月は、お芝居をしてみたいという声も出ていたので、東京で芸術に特化したB型就労支援事業を行っている「NPO法人らららら」スタッフ3名に参加いただいた。

【事後アンケート】参加者10名中3名から回答

1)参加回数は、何回目ですか。

  ・1回目 2件  ・2回目 1件

2)セーフスペースに参加するきっかけを教えてください。(複数可)

 ・友人・知り合いに勧められて  1件

 ・チラシをみて

 ・にじいろCANVASの定時総会のお知らせにあったセーフスペースの案内を読んで  1件

3)知ったSNS、他団体名を支障のない範囲で教えてください。

 ・なし

4)セーフスペースに参加してよかったですか

 ・とてもよかった  2件  ・よかった 1件

5)機会があればまた参加したいと思いましたか。

 ・機会があればまた参加したい 2件 ・わからない 1件

 

⑥2024年3月9日(土)13:00~18:00(13:00~13:30準備、17:30~18:00後片付け) 仙台市内レンタルスペースで実施。

 参加申込:11名 参加者:10名

 有償コーディネーター:2名 ボランティアスタッフ:3名

 ゲスト: 1月、3月は、お芝居をしてみたいという声も出ていたので、東京で芸術に特化したB型就労支援事業を行っている「NPO法人ららら」楽ちん堂スタッフ3名、県内の学童保育の食を対象にした研究、指導をしているHさんに参加いただいた。

 

⑦2024年5月11日1(土)13:00~18:00(13:00~13:30準備7:30~18:00後片付け) 仙台市内レンタルスペースで実施。

 参加申込:8名 参加者:4名

 有償コーディネーター:2名 ボランティアスタッフ:1名

【事後アンケート】参加者4名中1名から回答

1)参加回数は、何回目ですか。

 ・4回目 1件 

2)セーフスペースに参加するきっかけを教えてください。(複数可)

 ・SNSでの広報 1件 ・スクールカウンセラー 1件

3)知ったSNS、他団体名を支障のない範囲で教えてください。

 ・X 1件

4)セーフスペースに参加してよかったですか

 ・とてもよかった  1件 

5)機会があればまた参加したいと思いましたか。

 ・機会があればまた参加したい 1件 

 

◆相談員事例検討会:相談会で受けた事例について報告と検討

 毎月第2月曜日 20:00~21:00

 2023年:11/20、12/18

 2024年:1/15、2/12、3/18、4/15、5/20

 

◆アンケート調査(2023年10/25~12/25)実施とまとめ

①就職活動とジェンダー・セクシュアリティに関するアンケート調査

②キャリア支援のジェンダー・セクシュアリティに関するアンケート調査

上記、アンケートを集計したものは、2024年4月23日(土)アドボカシーカフェにて発表した。

 

◆学習会

③2024年1月18日(木)仙台・栗原パートナーシップ制度導入宣言緊急イベント(ZOOMオンライン)

にじいろCANVAS、Color Calibrations共催

 

◆交流会:

③つくたべの会:2024年3/24(日)11時~15時(エルパーク仙台)

にじいろCANVAS正会員、ボランティア会員としている方々との交流を目的とした。普段の会議室とは違い調理実習室に場所をうつして、餃子づくりをし交流した。

 

◆スピーカー派遣

2024年

・1/18 山田民生委員協議会スピーカー派遣

・2/9 南吉成子育て支援ネットワークスピーカー派遣

・3/12 大崎市高等看護学校スピーカー派遣

 

 

今後の事業予定 : 

◆相談会(2023年4月から2024年12月まで実施)

① 1ヵ月に1回第4土曜日の13:00~18:00、相談員2名体制で開催

 仙台市の事業「にじのひろば」と併設で実施

 有償相談員2名体制で開催。

② 2ヵ月に1回奇数月第2月曜日17:30~20:30

 有償相談員2名体制で開催。

※ 助成金申請当初は、① の相談会のみの計画でしたが、2022年7月より実施していた相談会への要望もあり、② の時間帯の開催を増やしました。

 

◆セーフスペースにじいろみやぎ

(2023年4月~2024年12月まで実施)

 2ヵ月に1回偶数月第2土曜日13:00~18:00で開催。

 有償コーディネーター2名体制で開催だが、レンタルスペースの部屋の対応人数を超える申し込みがあった場合には、有償コーディネーターをもう1名増やして対応したい。費用の方は、消耗品、会場費の予算を調整し捻出したい。

 

◆ネットワーク構築講演会・相談会(2024年12月まで1回)

①トランスジェンダー医療や親の支援

②協力機関へのヒアリング

③就労に関するアンケートで、追加調査OKと言われた人たちとつながり、当事者支援の部分でつながる。

上記いずれかの中から実施を検討中。

出張相談会は、これまでもつながりのあるColor Calibrationsの交流会に合せて相談会を開催しイメージを持ちたい。

 

◆交流会(1回 2023年4月~2024年12月まで)

 みやぎにじいろパレードでの交流会の場の設置

 

◆就労に関するアンケート調査

 アンケート結果を冊子にし関係諸機関に配布、ホームページで公表。

 

◆県外相談施設・パレードの視察、他団体との連携構築

 東京研修(中野ハウジングファースト、パープルハンズ(大人食堂)、プライドハウス東京)を検討中。

 

◆学習会、相談員の研修

 2024年7/28(日)開催のオープンダイアローグオンライン研修に、相談員の中から希望者が参加予定。

 

 

助成事業の目的と照らし合わせ 効果・課題と展望   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例を挙げた。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるかを記載。

 とくに、助成申請書の3-5で5つの評価軸について記載した「課題と考えることとそれへの対策」に関連させて、どのように変化したのかも記載。

(1)当事者主体の徹底した確保 

 相談・セーフスペース事業には、当事者にも相談員・スタッフとして関わっていただいている。当事者の視点が入り相談・セーフスペースがどんな場所であるとよいのか、どんな情報を提供するのかをともに考えている。相談者の中には、これまで同じような思いの人と出会わず来ていて同じ当事者の話を聞きたいという方がいらっしゃる。支援者としての当事者は、自分の経験が何かの役に立てばと思うが、あくまで自分の経験が押し付けにならないようにしたい思いがある。

 相談会では、2名の相談員で当たることにしており、このような場合アライとしての相談員が調整役になり、今の話は〇〇さんの事例だけど、〇〇さんはどうしたい?と投げかける役割になり、一緒に相談者の抱える問題を解決する仲間であるという立場をとるよう意識するようにしている。

 また、一次相談の場所として、相談者の困り事を整理し、明確になった困り事を専門機関と結びつけ、情報提供を行っている。事後アンケートの結果からは、問題となっている困り事が整理され、不安が軽減され、自分の希望が整理されている様子がうかがわれた。また、このことから「ジェンダーやセクシュアリティに関する情報をもっと集めたいと思った」、「ジェンダーやセクシュアリティに関するイベントに参加してみたいと思った」と自分自身のセクシュアリティを受け入れ前向きな気持ちになっていることがうかがわれる。

 セーフスペースは、セクシュアリティを特化しておらず、自分と違うセクシュアリティの方、年齢、特性も違う人が出会うという場です。まさに多様な人々が集う時間をどのように過ごすかが、毎回スタッフの課題です。当初は、集った人たちが楽しく過ごせる空間をスタッフが作らなければと思い、色々なものを用意し、飽きさせない、手持ちぶさたにさせないなど色々な状況を想定し準備をしていました。しかし、そのことは、参加者に何かをさせることに集中してしまい、参加者一人一人への思いには寄り添えていないのではないかと思うようになりました。

 まずは、セーフスペースとは、安全な場所という意味であること、一人一人がゆっくり過ごし、ほっとできるような空間を参加者のみなさんで考えながら過ごすということと、以下のグランドルールをしっかり伝えることにした。さらに、緊張の強い人には、初めての人たちが集うのだから、緊張やぎこちなさを感じることは当然なんだということを伝えるようにしました。その上で、スタッフは一人一人がどんなことに興味を示しているのかを観察をし、必要な手助けを行うよう心がけている。

 セーフスペース参加者が、「みやぎにじいろパレード2023」に、ボランティア参加、一般参加で参加していました。このことは、セーフスペースに参加することで社会に自分の意見を表明する段階まで、エンパワーメントされたと考えます。

<セーフスペースグランドルール>

1.呼ばれたい名前でご参加ください。

2.自分のセクシャリティや個人的なことは話しても話さなくても良いです。

3.お互いの発言や意見を尊重しあいましょう。相手の意見を否定せず、

まずは最後まで聞きましょう。相手の嫌がる言動はもちろんいけません。

4.アウティングに気を付けましょう。ここで知りえた個人的な事柄は、

外で話たり公表してはなりません。

 

(2)法制度・社会変革への機動力

 これまでの相談から伺えるのは、相談者が抱える相談項目は、家族、就労、人間関係等多岐にわたり、セクシャリティの問題だけではないということが見えてきている。セクシャリティへの偏見、差別が生み出され、法制度が整っていないことによる、生活の困難・困窮を招いていることを、今回実施している就労支援アンケートからも考察していく。今後の企画を通して一人一人の人権が守られると言うことはどういうことか一般市民と考え、行政に訴えていきたい。

(3)社会における認知度の向上力 

 相談会・セーフスペースの広報は、SNSでの情報配信を定期的に実施すると共に、ホームページにアクセスできるミニカードをつくり、公共施設、学校、店舗などにおいていただけるようにした。

 当団体の企画シンポジウム「セクシュアルマイノリティと子育て・家族・結婚 #にじいろかぞく#子育て#家族#結婚」「みやぎにじいろパレード2023」において相談会・セーフスペースについても一緒に広報できた。また、このシンポジウムは、仙台市のパートナーシップ制の導入のニュースとともに、新聞、TVニュース番組でも取り上げられた。

 仙台市議会議員選挙、宮城県議会議員選挙があり、議員立候補者にアンケートを実施した際、相談会のミニカードなどを同封した。

 企業、行政、学校などからのスピーカー派遣の依頼が昨年度の数を上回った。スピーカーの話しを聞いてということで、学校からの相談の要請もあった。

 2024年1月、3月のセーフスペースには、東京世田谷区で芸術に特化した就労支援B型、不登校支援、子ども食堂を運営しているのNPO法人らららのスタッフ、県内で学童保育の食育を研究している研究者を招聘し交流した。自由に表現することの楽しさ、食育について学んだ。セクシュアルマイノリティの理解を深めていただいた。

 相談会・セーフスペースの様子などは、個人情報に注意しながらも、今後開催を予定している当団体の企画を利用して紹介する場をつくりたい。そして、マイノリティが抱えている「生きづらさ」は、マジョリティ側にいる人間が感じている「生きづらさ」とつながっていることを考えてもらえるようにし、地域社会からの理解を得られるようにしたい。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 仙台市議会議員選挙、宮城県議会議員選挙に際して実施した候補者アンケートにおいて、性的マイノリティ団体や当事者に対するヒアリングや連携の必要性があると回答した候補者・当選者も多く見られた。そうした議員等を突破口として、相談や調査から見えてきた実態を踏まえた意見表明・提言を行いたい。

「ネットワーク構築講演会」の第1弾企画「セクシュアルマイノリティと子育て・家族・結婚 #にじいろかぞく#子育て#家族#結婚」

 講師に、同性カップルで3人の子育てをし、現在同性婚訴訟を戦っている小野春さんを招聘。小野春さんの「子育て・家族」についてお話をお聞きし、同性婚が日本で認められていないことは、「家族」にとって何が問題なのかを学ぶ機会となった。こちらの講演会には、宮城県・仙台市から後援をいただき、一般社団法人マザー・ウイングの協力をえることにより、これまで連携のなかった子育て支援施設、学校への広報ができた。

(5)持続力 

 相談会を継続するために相談員・セーフスペースコーディネーターを新たに5名増員した。

 11月19日に開催された「みやぎにじいろパレード2023」には、ブース出展。有志で作ったネイルチップ、小物、地元協力者からの野菜チャリティ販売、相談会・セーフスペースの継続のための募金活動をしました。持続していくための資金面での支援の構築がまだできていないが、今後当団体が企画している講演会・プライドパレード等の活動を通して、活動内容を理解してもらい、支援者を増やす工夫をしていきたいと考えている。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 マジョリティが優先の社会から生まれる差別、偏見、就労の困難、貧困

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。 

 性的マイノリティが安全安心した空間で、直面している困難・不安について話せる場を提供し、問題を共に整理して社会資源へつなぎ、エンパワーメントすることができる。

(3)他団体と連携したプロジェクトのアイディア、あるいは具体的な構想、あるいは希望などはあるか。

 前年度に引き続き仙台市が毎月開催する居場所事業「にじのひろば」と併設する形での相談会を開催できていることにより、行政との関係構築ができており、企業等から行政へ性的マイノリティに関する研修について問い合わせがあった際など当団体を紹介していただけています。

 一般社団法人マザー・ウイング、にじーずとにじーず仙台の開催で連携することになり、今後も協力体制を維持したい。

 県北で活動を行っているColor Calibrationsとも連携し、仙台市以外にも活動の場を広げていければと考えています。

 県外では、スカイツリーとつながり、オンライン学習会の情報などを頂いて、学びの場を増やしていきたいと考えています。

 また、こども支援、女性支援、しょうがい者支援、高齢者支援など様々な支援団体ともつながり、支援の中でのセクシュアリティへの理解を知って頂くような活動ができればと考えます。

 また現在は、市民センターなどを借り、転々としながら活動しているので、将来的には、常設の活動できる場を持つことができたらと思っています。

 助成金を頂くことにより、活動の幅が広がりました。活動するメンバーは、新たな出会いと経験を積み新たな学びを自身のスキルアップにつなげています。■

 

 

 

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