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ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第11回助成最終報告

一般社団法人パリテ・アカデミー(2024年8月)

助成事業名・事業目的

ジェンダーギャップ解消の担い手となる女性政治リーダー養成事業

 ジェンダーギャップ解消を推進する女性リーダーの育成

 ジェンダーギャップを解消したいと考えている女性を対象に、具体的な解決アクションに向けて、学習と対話を通じてエンパワーする。参加者のなかから行動を起こし、議員になっていく人を育てていく。

 毎年公表されている、ジェンダーギャップ指数の日本のランキングは下がり続け、特に政治分野経済分野でのギャップが低いことが指摘されているが、変化が見られない。 人口の半分は女性であるが意思決定の場にあまりに女性が少ない現状がある。今の議会には女性だけでなく、若い人、障がい者、外国にルーツのある人、性的マイノリティーの人などが圧倒的に少ない。こうした多様な人々が一緒に暮らしているのが社会の現実であり、その声が政治に公平に反映され、だれもが生きやすい社会の実現を目指すために、女性をエンパワーメントし、女性リーダーの人材を育成する。

 

助成金額 : 300万円 

助成事業期間 : 2023年1月~24年7月

実施事業の内容: 

女性政治リーダー、市民・地域活動の女性リーダーの養成

  • 地方対話集会(金沢)

地域から変える!ジェンダーギャップと私

日時:2023年7月2日(日) 13時半~16時半

場所:ITビジネスプラザ武蔵 (金沢市武蔵町14-31)

※金沢市後援

※申込3名 →開催中止→仙台で開催(下記参照)

 

  • 東京対話集会(四ツ谷

社会を変えよう!ソーシャルアクションリーダーがめざす世界

日時:2023年11月18日13:00~17:15

場所:上智大学(四ツ谷)

※上智大学グローバル・コンサーン研究所と共催

※申込39名 参加27名

プログラム:

第1部『権力を恐れず真実をー米国下院議員 バーバラ・リーの闘い』上映会

柳澤幾美さん(大学非常勤講師)の解説

第2部 パネルディスカッション&グループワーク

登壇者:中野裕子(津市議会議員)、なめかわ友理(水戸市議会議員)濵田真里(Stand by Women代表)、

モデレーター町田彩夏(パリテ・アカデミー トレーナー)、三浦まり、申きよん

トレーナー:山﨑彩音

 

  • 地方対話集会(仙台

社会を変えよう!ソーシャルアクションリーダーがめざす世界

日時: 2023年12月9日(土)13:00~16:30

場所: エル・ソーラ仙台

※申込23名 参加18名

プログラムおよび登壇者:

第1部『権力を恐れず真実をー米国下院議員 バーバラ・リーの闘い』上映会

映画解説:柳澤幾美(南山大学 名古屋市立大学 他非常勤講師)

第2部 パネルディスカッション&グループワーク

登壇者:柳澤幾美(同上)、日向美砂子(元東京都小平市議会議員)いのまた由美さん(仙台市議会議員)

モデレーター:町田彩夏、申きよん

トレーナー:臼杵成美、山﨑彩音

 

  • ブックトークイベント(オンライン事業)

「『政治って面白い』刊行記念、ところで政治って本当に面白い?」

2023年7月13日(木) 20時~21時

登壇者:池田幸代(駒ヶ根市議議員)、伊藤たかえ(参議院議員)、山田裕子(越谷市議議員)

モデレーター:三浦まり

※申込62名 参加40名

※見逃し配信の希望があり、2023年8月末まで配信

 

  • パリテ・アカデミー出身議員総結集!一歩踏み出した私たち」(報告会)

日時:2024年6月22日(土) 15:30~17:30

場所:アルカディア市ヶ谷

プログラム:

パリテ・アカデミー出身議員リレートーク

グループワーク

パリテ・アカデミー共同代表による講話

登壇者:

青木のぶえ(北区区議)石森愛(練馬区議) 稲永朝美(小田原市議)おのみずき(世田谷区議) 後藤香織(福岡県議)佐伯加寿美(さいたま市議) 佐藤こと(北区区議)滝口紘子(室蘭市議) 中野裕子(三重県津市議)西野ゆか(福井県鯖江市議) 樋口瑞佳(兵庫県稲美町議)藤本麻子(鎌倉市議)山口かおる(新宿区議)

モデレーター:三浦まり、申きよん、山中遥

トレーナー:臼杵成美、町田彩夏、山﨑彩音、濵田真理

※参加費 無料

※対象  女性

※申込49名 参加44名
   Kaida SJF

 

助成事業の達成度:

 地方集会(金沢)を準備したにも関わらず中止したが改めて仙台で実施することができた。オンライン事業は1回のみの開催となったが見逃し配信するなど工夫し、より多くの方にリーチした。

 対話集会を東京、仙台で実施し、報告会となる集会を東京で6月に実施することができた。

・2023年7月13日開催のブックトークイベントは朝日新聞23年7月20日掲載

・東京対話集会については、その報告を『グローバル・コンサーン』第6号に三浦まり、柳澤幾美が「社会を変えよう!ソーシャル・アクション・リーダーがめざす世界 映画『権力を恐れず真実を―米国下院議員 バーバラ・リーの闘い』について 」にて執筆し、2024年5月に公開された(本報告はこちらから)。

・仙台対話集会は河北新報2023年12月10日(朝刊)にイベント実施の記事が掲載

 

助成事業の成果:

 参加者は対話を通じて、自分が抱える問題が女性に共通することだと気づき、ジェンダー差別の構造に目が向くようになり、またジェンダー規範から解き放たれる経験、あるいは解き放たれたいと思うようになっていく。助成事業を通じて、参加者がエンパワーされ、ジェンダーギャップ解消に向けて背中を押されたのではないかと思う。

 地方ではとくに、ジェンダー問題に関心のある人に出会うことが少なかったり、政治の話をする機会も限られる。似たような問題関心を持つ仲間と出会えることで、エンパワーされ、自分は何ができるのか、何をすべきなのかがより明確になっていく。都心部においても、若手女性が安心して話せる場は少ないので、そのような機会を提供することができた。

 本事業を通じて、ジェンダー課題に対する社会の認知が高まり、その解決に向けてどのような取り組みが必要であるかの具体的イメージが共有され、さらには立候補することを含む様々なアクションを起こす女性が増えたと思われる。

 

助成事業の目的と照らし合わせた成果・課題と展望:   

【Ⅰ】次の5つの評価軸それぞれについて、当事業において当てはまる具体的事例。あるいは、当てはまる事が現時点では無い場合、その点を今後の課題として具体的にどのように考えるか(自力での解決が難しい場合、他とのどのように連携できることを望むか)。

(1)当事者主体の徹底した確保

 参加者は自分自身が女性として抱える課題を省みつつ、ジェンダー課題を発見していく。その意味で、当事者性を強く認識する事業を展開した。

(2)法制度・社会変革への機動力

 女性が抱える困難を取り除くために、抑圧的な法制度や社会通念を変えていく必要があることを、参加者が認識できる機会となった。また、実際に変革のためにアクションを起こしている女性リーダーの話を直接聞くことで、自分もできそうという気持ちを持てたと思われる。

(3)社会における認知度の向上力

 対話集会にはジャーナリストの参加も多く、彼女たちもメディアにおける女性の少なさに直面する当事者として対話に参加していた。こうした気づきを共有できたことは、いずれは彼女たちが配信する記事に少なくない影響を与えるものと思われる。

(4)ステークホルダーとの関係構築力(相反する立場をとる利害関係者との関係性を良好に築いたり保持したりする力)

 意思決定の女性を増やすことの重要性について、必ずしも理解しない人たちは存在する。対話集会では異なる意見の人とどのように対話を続けるかが話題となった。対処策は人によって異なるものの、黙らないできちんと言い返す方法や、相手を尊重しつつ異論を唱えるコミュニケーションの取り方についても話し合いがなされた。

(5)持続力

 参加者間のコミュニティが形成されることが持続力のためには重要である。コミュニティが維持できるように、弊団体のトレーナーやアルムナイと連携し、情報交換や交流の機会を設けることを心がけた。

 

【Ⅱ】Ⅰの評価軸はいずれも、強化するには連携力が潜在的に重要であり、その一助として次の項目を考える。

(1)当事業が取り組む社会的課題の根底にある社会的要因/背景(根本課題)は何だと考えるか。

 男女の候補者の数ができる限り均等になることを目指す「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が2018年に施行されたが、国会議員の女性割合は低いままなお一層の努力が必要である。地方議会では2割弱が女性ゼロ議会となっている。

 候補者のプールを広げるには、女性が政治に参画する意義と変革の役割について理解を深めることが不可欠である。

 日本は、男性は外で稼ぎ、女性は家庭を守るという強固な性別役割分業があり政治そのものが「男性がやるもの」という刷り込みも強い。女性の役割に関するジェンダー・バイアスが政治家になろうとする女性のプールを少なくしてしまうとともに立候補する女性が攻撃の的となる土壌を形成している現状も以前としてある。

(2)その根本課題の解決にどのように貢献できそうだと考えるか。

 パリテ・アカデミーの事業に参加することでジェンダーギャップ解消の重要性を理解し、発信したりアクションを起こしたりする人が増える。

 参加者のネットワークが構築されて一つの束となることで大きな力を持つようになるよう働きかける。地域の女性ネットワークを活性化できれば、女性の政治参加につながる。弊団体は特定地域に活動拠点を置くわけではないので、地域レベルで活動する団体・ネットワークとの連携を深めることが鍵となる。

(3)他団体と連携したプロジェクトのアイディア、あるいは具体的な構想、あるいは希望などはあるか。

・地方金沢開催においては金沢市が後援を許可し、行政との連携をとることができた。広報も協力を得ることができた。

・上智大学グローバルコンサーン研究所と共催し、大学生へむけて集客することができた。

・映画上映について上映権をもつ監督と折衝できる柳澤幾美さんに協力していただき、上映会を実施することができた。 ■

 

 

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