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 ソーシャル・ジャスティス基金(SJF)第4回助成

認定NPO法人OurPlanet-TV=SJF助成事業中間報告(2016年7月

団体概要

 2001年に設立した非営利の独立系インターネットメディア。マスメディアでは扱われにくいテーマを中心に番組を制作、配信している。3.11以降は主に、福島原発事故の被害に関する取材を重ね、科学ジャーナリスト大賞などを受賞している。

 

助成事業名Support and Survey on Young Generations/SOYプロジェクト〜保健室および地域の健診データ記録・蓄積化〜 

 参加者100名程度を対象とした加害者家族支援に関するシンポジウムを各地で開催する。NPO法人WorldOpenHeartの拠点である仙台、スタッフや協力者がいる、東京、名古屋、大阪、福岡で開催予定。参加者数(規模)やシンポジウムの内容は、初回開催の反応を見ながら修正していく。各地でのシンポジウム内で議論された内容やアンケートの集計、協力団体のリストなどをまとめた報告書を作成。

 

事業計画 

 本プロジェクトは、以下の2つの内容を同時に推進する。

(1)独自健診の調査およびベストプラクティスの提示

 現在、市民および自治体などが独自に実施している健康診断等の取り組みについて調査し、より有効な実施指針を示すとともに、検診結果の集約・蓄積につなげていく。

 (2)学校保健活動をサポートする手引き等の提示

 主に、汚染状況重点調査地域の養護教師らと意見交換を重ねて、ネットワーク化を支援するとともに、子どもたちの健康状態を把握するアセスメント方法や健康記録に関する先行事例を集め、学校保健で活用できる手引きを示していく。

 

助成金額 : 100万円

助成事業期間 : 2016年1月~2017年5

実施した事業と内容: 

第1回調査(福島) 18日~9

  1)浪江町健康保健課 保健課長以下3名ヒヤリング 

OurPlanet-TV 浪江町健康保健課 保健課長以下3名ヒヤリング2(2016年1月8日~9日) ヒアリングさせていただいた浪江町保健課のみなさま

OurPlanet-TV 浪江町健康保健課 保健課長以下3名ヒヤリング1(2016年1月8日~9日)
浪江町役場前で、共同事業者の養護実践研究センターの大谷尚子さん(右)と
「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワークの吉田由布子さん(中)と。

 

    (2)福島県内の養護教師 計5人と意見交換

フィールド取材(千葉) 2月~3

 (1)甲状腺検査千葉の会

 (2)関東子ども健康調査支援基金

第2回調査(宮城) 315日~16

 (1)宮城県色麻中学校 保健室訪問 

    OurPlanet-TV 宮城県色麻中学校 保健室訪問(2016年3月15日~16日)

 (2)宮城県真山中学校 保健室訪問

宮城県養護教諭との交流 611

 養護教諭との交流意見交換を重ねるとともに、検診を実施している行政や民間団体からヒヤリングを重ねている段階である。

 

今後の事業予定とその課題や展望:

<今後のスケジュール>

健診に関する調査

*北茨城市へヒヤリング~甲状腺検査について(7月27日)

*いわき放射能測定所「たらちね」~診療所について(7月28日)

*民医連にヒヤリング~健康診断について(8月)

*日本医師会総合研究所~健診データベースについて(調整中)

*関東子ども基金ほか市民団体へのアンケート(8月~9月)

学校保健実践に関する調査&ネットワーク化支援

*宮城県養護教諭の研修会を視察(学校保健の実践例)(7月)

*茨城県養護教諭との意見交換(7月27日) 

調査のまとめとアウトプット

*養護教員向け手引きの作成(2017年1月~3月)

*サイトの構築(1月~3月) 

*報告会&対話集会(3月)

*DVD制作(1月)

 7月末に、第3回目の調査(茨城・いわき)が決まっており、北茨城市や水戸の養護教諭、いわき放射能測定所「たらちね」などからヒヤリングを実施する。このほか、民医連にヒヤリング、日本医師会総合研究所なども調査する。同時に、ヒヤリングをもとに得た情報をまとめたWEBサイトの構築やブックレットを作成するなど、アウトプットのあり方を検討していく。

 

<課題と展望>

  課題は、多くの養護教諭が、被曝による健康影響に対する全く備えがなされていない点である。知識もなく、また特別な対応もしていない。養護教員間での共通理解を進めるためには、OurPlanetTVDVDおよび対話が大変効果を発揮している。視聴機会や交流を増やす必要がある。 一方、宮城県の一部の養護教諭が、地域の研修等を活用し、様々な勉強や対策をしており注目に値する。宮城の一部養護教員以外は、基本的に「被曝影響による健康被害が起こりうる」という視点がほとんどないので、まずは養護教諭への気づきとなる「対応手引き」になるべく具体的な取り組み事例を掲載することが重要だと考えている。

 また、校医や医師会は、養護教諭以上に、被曝影響への関心が低いので、対応は考えていない(日医総研のデータベースがいずれ役に立つと考えている)。

 なお日本における健診は、妊産婦健診、乳幼児健診、学校健診、定期健康診査、特定健診検診と、年齢や立場によって一貫性がなく、データベースが一本化されていない。自治体の健康管理課の対象は、妊産婦健診、乳幼児健診、定期健康診査、特定健診検診となっていることもあり、データベースにおいても、また地域の保健会議にも、学校保健が含まれていない。

 データベースについては、日医総研が開発しているデータベースが、学校健診も組み込み方向で研究を進めているため、その進捗を把握する。また地域保健と学校保健との間に、関わりがない点については、さらに自治体とのヒヤリングを重ね、糸口を見つけたい(北茨城市の健診ヒヤリングはヒントを得られるのではないか)

 なお、教員向けの指導書を教育委員会から普及させることは難しく、教員組合や養護教諭の大会・研究会などを通じて普及させるのが現実的である。群馬や栃木などのように養護教諭のネットワークの手がかりが薄いところは、保護者や守る自治体の健康保健課と学校保健(養護教師や校医)と連携しての普及となる見通し。

 

 

 

 

 

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