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目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

★1.【委員長のひとりごと】 (上村英明)

メディアの再生と政府、ジャーナリズム、市民の責任:「批判的」メディアのために

★2.【SJFニュース】(抄録)

  • 「『票育』――若者と政治が出会う新しい授業の作り方」:開催(4/13)報告
保坂 展人さん×後藤 寛勝さん(SJFアドボカシーカフェ第42回)

 
  • 遺贈・相続財産寄付のご案内
 

★3.【ソーシャル・ジャスティス雑感】 笑顔でつながりたい(土屋真美子)

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★1.【委員長のひとりごと】 (上村英明)

メディアの再生と政府、ジャーナリズム、市民の責任:「批判的」メディアのために

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ばかばかしいほど月並みなことではあるが、健全な民主主義社会には、健全なジャーナリズムが必要である。そして、問題は、「健全なジャーナリズム」の「健全な」の意味が問われていることだ。

その「健全なジャーナリズム」と関係の深い「報道の自由」に関する国連人権理事会の特別報告者が、この2016年4月来日を果たした。国連は、2006年に行った機構改革で、それまで経済社会理事会の下にあった人権委員会で審議していた「人権」を新設された人権理事会の管轄下に格上げした。伝統的に、内政干渉にもなりかねない「人権」問題の国際社会での審議には、事実確認の調査が不可欠の土台となる。その意味で、人権理事会は、「国別」・「テーマ別」の国連調査官とも呼べる専門家を任命し、国連機関の下で調査活動に従事させており、特別報告者のそのポストのひとつである。

今回来日したデビッド・ケイ「報道の自由」特別報告者は、米国籍で、カリフォルニア大学アーバイン校法学部の教授でもある。当初の予定では、2015年12月の来日であったが、受入れ当事者である日本政府が関係当局の準備ができないと、今年秋への延期を申し出た経緯がある。昨年秋には、辺野古問題を抱える「沖縄」でも、反対運動やそれを報道するメディアへの過剰な介入が問題となっており、ケイ氏の「沖縄」訪問への期待も高まった。

日本政府の1年延期に対して、日本のジャーナリズムの危機的状況を察してか、前倒しでの来日を果たしたケイ氏の滞在は11日~19日で、今回は東京を中心とした調査に限られた。正式な報告書は、2017年に発表される予定だが、それでも、ケイ氏は19日の帰国直前には、外国特派員協会での記者会見などを精力的にこなしている。

もちろんと言っては語弊があるかも知れないが、安倍晋三政権の下での「報道の自由」あるいはメディアの独立性に関する圧力への懸念を表明した。例えば、特定秘密保護法は秘密の範囲が広すぎで、情報は制限されることがあっても、誰が責任を取るべきかの透明性を高くする必要がある。米国でも多くの情報が機密扱いにされるが、内部告発者は保護され、ジャーナリズムのアクセスも違法ではない。また、高市早苗総務省の電波停止発言にみられる放送法への政府解釈も、政府の見解を支持しなければ、公正といえないとすれば、大問題である。

同時に、ケイ氏は、こうした状況にはメディア側の問題も指摘したといわれるが、一般メディアでのその点の紹介はあまり多くない。例えば、政府からの情報を前提に大手メディアに支配され、排他的な性格を持つ記者クラブ制度や政府との距離の近い日本新聞協会などの上部組織のあり方などである。

もちろん、こうした課題はメディア自体の問題だともいえるが、じつは、市民社会自身が民主主義の再構築として議論すべき課題ではないだろうか。大手メディアには、記者クラブの問題ばかりでなく、いくつもの制度的問題がある。本コラムでも、国営(公共)放送の改革の話は述べたが、クロスオーナーシップの問題もそのひとつだ。これは、一般に株の持ち合いを意味し、今風にいえば、巨大な企業グループの形成を指してきた。メディアでいえば、巨大なメディアグループの形成である。欧米では本来、こうしたグループ化は規制の対象であったが、日本ではこの流れはますます強化されているように見える。1952年に初の民放TVとして設立された日本テレビは、当初から読売新聞の傘下にあった。新聞社とテレビ局、ラジオ局のグループ化、さらに地方局の系列化はクロスオーナーシップの典型でもある。こうしたグループ化は、戦前の財閥と同じように政府との癒着の温床かもしれない。

ケイ氏が離日した翌日、1985年パリで組織されたNGO「国境なき記者団」は、2016年の「報道の自由度ランキング」を発表した。2010年、日本は過去最高の11位まで順位を上げたが、2015年は過去最低の61位、そして今年2016年はさらに記録を更新して72位となった。確かに安倍政権の誕生の影響は大きいかもしれないが、民主主義社会の下でのメディアのあり方に関する制度構築は市民社会全体の課題でもあることだろう。

 

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★2.【SJFニュース】 (抄録)

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  • 「『票育』――若者と政治が出会う新しい授業の作り方」:開催(16年4月13日)報告
【ゲスト】保坂 展人さん(世田谷区長)
後藤 寛勝さん(僕らの一歩が日本を変える。代表理事)

――若者の声を生かす政治や行政を実現する根源は何か。会場のみなさんとゲストと、対話が進展しました。

「若者たちが、地域に根差していくと、さまざまなことについて責任主体になっていくのです。自分たちが決めるということは、社会のお客さんではなくて、中心部に出ていくということなので、そういう体験をしてもらうことが次の社会にとってよいことになる」(保坂さん)

「僕たちがやりたいことは、政治のなかで、中高生でも政治と向きあった時に小さくても成功体験を得られるかということです。政治に役割を与えられていることこそが、主体的になることの一番の原動力になる」(後藤さん)

「直接、住民の知恵、そこに住んでいる人たちの力、というものがもっと行政や政治に作用していけば、この社会は確実に良くなる」、「子どもが、自分たちが決めたことを、大人の助けも借りながら、ルールを逸脱しそうになりながらも引き戻されながら、何とか運営していく、という体験を積み上げていく。こういう機会に、小学生のころからもっと接していくことが大事」(保坂さん)

「政治的中立は、ここにいるすべての人の異なる意見を踏まえたうえで、自分だったらどうするかと一人ひとりが考えることだと思う。若い人自身がその考えた選択肢の主体になって、若者による若者のための政治教育が行われること、それを『票育』はめざしているのではないか」(後藤さん)

詳細は、 http://socialjustice.jp/p/report20160413/ 。

 

 
  • 遺贈・相続財産寄付のご案内
遺贈・相続財産寄付は、かけがえのない人生を遺産に託し、これからの社会に生かしていただける方法です。遺産に託す社会貢献、その想いにソーシャル・ジャスティス基金(SJF)が添えるようご相談させていただければ幸いです。ご関心のある方は、末記の宛先(認定NPO法人まちぽっと ソーシャル・ジャスティス基金)までご連絡ください。ご案内パンフレットを差し上げております。

 

 

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★3.【ソーシャル・ジャスティス雑感】 笑顔でつながりたい(土屋真美子)

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連休中、陶器市フリークの私は、益子陶器市に行った。東京から益子は結構行きにくく、新幹線とJR在来線そして真岡鉄道を乗り継いでようやくたどり着いた。路線案内の指示に従って、初めて乗る真岡鉄道なるものに乗車しようとしたら、すごい人。その人たちのお目当ては陶器市、ではなく、SLだった。たまたま乗る時間の電車がSLだったわけである。

SLに何の関心もない私は500円余分にSL料金をとられるわ、駅ごとに時間をとって写真撮影するので到着時間が遅くなるわ、で大変不満。しかし、そのうち気づいた。周りの雰囲気が、ものすごく和やかなのである。

もちろんSLに乗っている小さな鉄道マニアたちは興奮状態だけれど、親たちは結構温かく彼らを見守っている。鉄道マニアと言う共通点が親たちをそうさせるのか、自分の子ども以外の子どもにも自然に手を差し伸べ、席を譲りあったり、話しかけたり、会話が生まれている。中国の人もいたが、彼らとも自然に会話が弾んでいる。

また、沿道の人たちがとても多い。いかにも鉄ちゃん風の人がカメラを構えているのは当然ながら、子どもを抱えたお母さん、お父さんが沿道で子どもたちと一緒に手を振る。ちょうど田植えのシーズンで、田植え作業の人も多かったが、その人たちも作業の手を休めて手を振る。SLの汽笛の音に気づいて顔をあげる人、家から出てくる人、みんなが笑顔で手を振る。そして、SLに乗っている小さな鉄ちゃんたちも一生懸命に手を振る。なんか、よいのである。

到着する駅ごとに、同じジャンパーを着たボランティアの中高年の方々が待ち受けている。撮り鉄さんたちの整理をしたり、子どもたちを助けたり、一緒に写真を撮ったり。ボランティアの人たちの張りきっている様子に、「真岡鉄道とSLが好きなんだなー」と思わずにっこりする。

このたくさんの笑顔、そして温かい雰囲気をSLが自然発生的に生み出す。機械と言うよりも道具に近く、機関士さんが石炭をくべて、一生懸命に走り、時々汽笛を鳴らすSLに、多くの人たちが親近感を持ち、知らない者同士が手を振りあい、話しかけ、コミュニケーションが生まれる。義務や「・・ねばならない」ではなく、自然に笑顔でつながる、そんなSLの力に改めて驚くとともに、なんとなくこれからの社会を変える力は、農業だったり道具だったり、人間に近いものにあるんじゃないかな、こんな場面がたくさんある社会になればいいなーと思ったりもした。

「でも、この煙は地球温暖化の原因」などと無粋なことを言いつつ、私もSLに手を振り、SLと写真撮影した5月の一日でありました。

 

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今月号の執筆者プロフィール
  • 上村 英明  [SJF運営委員長; NGO市民外交センターの代表として、先住民族の人権問題に取り組み、この関連で国連改革や生物多様性などの環境保全、核問題など平和への取り組みを実践するとともに、グローバルな市民の連帯に携わってきました。SJFでは、平和、人権、エネルギー、教育など多くの分野で新たに現れている21世紀の課題を解決するため、市民による民主主義実現のための政策や制度づくりを支援している。恵泉女学園大学教授]
  • 土屋 真美子 [SJF運営・企画委員; NPO法人アクションポート横浜理事/認定NPO法人まちぽっと理事; 民設民営の市民活動情報/支援センターの草分け「まちづくり情報センターかながわ」の事務局長として、長年現場の様々なコーディネートを行う。その後、「ファイバーリサイクルネットワーク」「よこはま森のフォーラム」等の環境保全運動、NPOの評価システム研究など、幅広い分野で活躍。]
 

 

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