このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed
LINEで送る

目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 

★1.【巻頭】 ~委員長のひとりごと~ (上村 英明/SJF運営委員長)

 

★2.【SJFニュース】

    ・ご案内:『日本で生かそう!国連人権勧告』SJFアドボカシーカフェ(2/28)

    ・ご報告:『ヘイトスピーチと人種差別』SJFアドボカシーカフェ(‘14/1/21)

 

★3.【SJF(2013年度)助成先レポート】=「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク=

     ―1月に施行された「子どもの貧困対策法」に、市民の経験と知恵をつなげる―

            

★4.【コラム:ソーシャル・ジャスティス雑感】 『生きづらさをぶっとばせ!』

                       (轟木洋子/SJF運営副委員長)

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 

========================================

 

★1.【巻頭】~委員長のひとりごと~ (上村英明/SJF運営委員長)

 

========================================

 いま、私は出張で台湾の台北にいる。そして、この『ひとりごと』を書こうとしながら、11月に書いた文章を思い出した。読者諸氏は覚えていらっしゃるだろうか。次のようなものだ。

「11月8日に国会で、NHKの最高意思決定機関である経営委員会の委員5人の人事案が可決されたが、この内の4人は現在の安倍晋三首相に極めて近い人々である(委員は全体で12人)。経営委員会の大きな仕事はNHK会長の人事である。以前から従軍慰安婦報道などで、NHKに介入してきた首相の影響力の強化が懸念される人事だが、こうした問題への日本社会の関心は決して高くない。それでいいのだろうか。」

これは、安倍晋三首相に近い人事が悪いとだけ言っているのではない。NHKが「公共放送」であるのならば、政権からきちんと距離をおいた経営を行うシステムが不可欠で、なぜこうした制度設計の議論がこの社会では起きないのかという問題提起である。残念ながら、ここ数週間のニュースには、このNHK経営委員やそれに関連する人材が何人も登場する。2月3日、都知事選で田母神俊雄候補の応援演説に立った百田尚樹(作家)・NHK経営委員は、「南京大虐殺はなかった」、「東京裁判はごまかし」との持論を展開した。また、2月5日、長谷川三千子(埼玉大学名誉教授)・NHK経営委員が、1993年に朝日新聞社で拳銃自殺した右翼活動家を礼賛する追悼文を発表していたことが分かった。また、このNHK経営委員会の選出によって1月25日にNHK会長に就任した籾井勝人(日本ユニシス相談役)氏は、「従軍慰安婦問題」や「領土問題」について政府支持とも思える発言を繰り返して問題となった。

もちろん、こうした発言に対し辞任を求める運動が起きるのは当然である。しかし、同時に、「公共放送」とはどうあるべきかという議論をしなくていいのだろうか。ソーシャル・ジャスティス基金が求める社会正義とは、モグラ叩きの社会運動ではなく、もっと本質的な議論の組み立てである。

実は、今日の午後、市内の「228平和公園」の中にある「台北228記念館」を訪れた。「228事件」は1947年、戦後すぐの台湾で起きた国家暴力であり、記念館の建物は「旧NHK台北支局」である。こうした施設を訪れるたびに、国家暴力への批判の甘い日本社会に少なからぬ失望を感じてしまう。

 

========================================

★2.【SJFニュース】

========================================

●ご案内 ★参加者募集中★ SJFアドボカシーカフェ第24回

   シリーズ:「日本で生かそう!国連人権勧告」 第4回

『国連人権勧告は守らなくていいの?―国際人権条約と日本の人権施策―』

 

【日 時】2014年2月28日(金)18:30-21:00(18:15受付開始)

【ゲスト】寺中 誠さん(アムネスティ日本前事務局長/ 東京経済大学非常勤講師)

     塩原 良和さん(慶應義塾大学法学部教授)

【会 場】新宿区四谷地域センター11階 集会室2+3

 日本社会に住んでいる私たちは、おそらく、世界の動きをあまり意識しないままに日々を過ごしてしまっています。しかし、世界は「人権」という概念を作り出すことで、多くの人々の命を救おうとしています。そのためにあるのが、人権条約です。ところが、安倍政権は昨年6月「国際条約機関からの勧告には法的拘束力がない、だから履行義務もない」という閣議決定をしました。国際人権基準のシステムとの連携を切断し、国内法システムの内部に閉じこもる鎖国政策が意味することは何なのか。人権諸条約の監視機関からの勧告をことごとく跳ねつけ続ける日本の姿勢について、その元にある論理の構造を考えてみます。そして、私たちは何ができるのか。新たな一歩につながる対話の場に、どうぞお越しください。

★ 詳細はこちら http://socialjustice.jp/p/20140228/

 

 

●ご報告: SJFアドボカシーカフェ第23回 

(‘14/1/21 @新宿 認定NPO法人まちぽっと会議室)

『ヘイトスピーチと人種差別』

 シリーズ:「日本で生かそう!国連人権勧告」 第3回

【ゲスト】金明秀さん(関西学院大学社会学部教授)

     師岡康子さん(人種差別撤廃NGOネットワーク共同世話人)ほか

 ―差別は誰でも無意識になしうることであり、ことに人種差別につながる排外主義を抑制していくには私たちはどうしたらよいのか、多様な人々と共に考えました。 

最初にゲストの金さんより、ヘイトスピーチに潜む排外主義的な差別要因が報告され、その排外主義を抑制していくためには、多様な人々とのネットワークを地道に作り上げることが重要性だと提言されました。

 続いて師岡さんより、ヘイトスピーチの最も危険な側面として、マイノリティの人々に対する差別を煽動することにより、心身を深く傷つけ尊厳を侵害するとともに、社会に差別や憎悪などを蔓延させる点が指摘されました。

 そしてグループディスカッションやゲストとの対話のなかで、参加者より、

法規制がないと差別を意識化・社会化できないのではないか?法制度化するためのプロセスが大事。政府・地域社会・学校・職場・マスコミなど様々な場での検討が必要。

 という意見をいただき、師岡さんからは

法規制により、差別というのは違法だと国が宣言するのは、差別を意識化・社会化するために非常に大きな意味があると思う。また、その前提として差別の実態調査も不可欠だ。そもそも人種差別撤廃条約に加盟している日本の義務として、条約を具体化するための法規制の制定は約束したことであり、何度も勧告もされていることでもある。

 との意見を、金さんからは

法規制の論議と同時に、まず、差別そのものを問題視する価値観を形成する運動が必要だ。今の日本では『個人通報制度』の方が重要ではないか。被害の実態を周知し世論を喚起していき、法律以外に、差別を見抜く目を養うような活動が重要なのではないか。

 との意見をいただきました。締めくくりのメッセージは、

「遠いゴールでも、何か新しい種をまいておく、このような機会を皆さんとまた共有できるといい。」(金さん)

アドボカシーカフェのような形式の集まりは初めてだったが、非常によかった。厳しい情勢の中でも皆さんの知恵を出し合って、どうしたら差別撤廃を進めて行けるのか議論していけるとよい。」(師岡さん)

でした。

★ 詳細はWebサイト(http://socialjustice.jp/p/20140121report/ )をご覧ください。

 

 

========================================

★3.【SJF(2013年度)助成先レポート】=「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク

========================================

 「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークでは、2010年より、困難のなかで生きるあらゆる子ども/若者に支援を行き届かせることを始めとする4つの柱を立てて活動してきました。そして、そのうちの一つ、「子どもの貧困対策法」が20136月に制定され、20141月に施行されました。

 法律は、「生かされてこそ」のもの。政府では子どもの貧困対策大綱がまとめられ、子どもの貧困対策が具体化していきます。私たちは、その具体化のプロセスに、実際に貧困・低所得の状況にある子どもや保護者を支える活動をしてきた市民の経験と知恵を反映していくことで、実効性ある法律にしていきたいと考えています。

 このたび、私たちは「ソーシャル・ジャスティス基金」の「「子ども・若者の貧困問題」を対象としたアドボカシ-活動」として「『生かそう!“子どもの貧困対策法”』市民のちから事業」に助成していただけることとなりました。市民のちから事業では、ネットワークの強みを生かし、子どもの貧困問題に関わる多分野の方々の知恵をいただき、提言につなげていくために、(1)市民のつどい、(2)自治体セミナー、(3)連続セミナーを開催してきました。それぞれの内容はWebサイトをぜひご覧ください。(http://socialjustice.jp/p/fund-childpoverty-2014feb/

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

1.「生かそう!子どもの貧困対策法」市民のつどい

◆日時:2013106

◆参加者:約120名(学生・奨学生、ひとり親家庭当事者・社会的養護当事者、子ども関連NPO・支援団体・福祉施設スタッフ、学校教職員、夜間中学教員、スクールソーシャルワーカー、地方議員、医師、弁護士、研究者など)

◆内容

【第1部】「当事者が願う子どもの貧困対策」

・地域での支援:栗林知絵子さん/NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク代表

・ひとり親家庭支援:片山知行さん/特定非営利活動法人全国父子家庭支援連絡会代表理事

・子どもの貧困対策:村井琢哉さん/特定非営利活動法人山科醍醐こどものひろば理事長

・奨学金問題:岩重佳治さん/奨学金問題対策全国会議・弁護士

・夜間中学問題:澤井留里さん/夜間中学講師

・若者・学生の立場から:岸野秀昭さん/大学生・子どもサポーターズとしま 学習支援会「クローバー」・CYCLE

・社会的養護:渡井隆行さん/特定非営利活動法人社会的養護の当事者参加推進団体日向ぼっこ代表理事

【第2部】(1) 教育、(2)社会的養護、(3)ひとり親支援、(4)若者問題、(5)保育・乳幼児・医療・障害児、(6)領域なし、の6グループのグループ討論

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

2.「子どもの貧困対策・自治体セミナー」

◆日時:20131214

◆内容

◎報告1:「あらかわシステムと荒川区の取り組みの現状」片岡孝さん(東京・荒川区総務企画部企画担当課長)

◎報告2:「あだち・ほっとほーむ事業について」富山耕生さん(東京・足立区教育委員会子ども家庭部こども支援センターげんき・北地区支援係・相談員)

◎報告3:「ひとり親家庭で育つ子どもへの支援―NPO 等とつくる居場所づくり」白數宗雄さん(京都府健康福祉部家庭支援課ひとり親家庭支援担当課長 )

◎報告4:「子どもの健全育成プログラム策定推進モデル事業について」岡部卓さん(首都大学東京・教授)

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

3.子どもの貧困対策連続セミナー第1回「どうする? どうなる? 就学援助」

◆日時:2014130

◆内容

◎報告1:「今、福島の学校で」岡田昌也さん(福島・公立中学校事務職員)

◎報告2:「高校生への就学支援」近藤満さん(埼玉・公立高等学校事務職員)

◎報告3:「学校事務職員ができる福祉的支援」竹山トシエ(全国学校事務職員制度研究会)・永山美子(埼玉・公立小学校事務職員)

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

20142月~5月にかけての今後の予定

227日(木)子どもの貧困対策・第2回連続セミナー+ネットワーク会議

 テーマ:「学びのセーフティネット」の現場から

 ―夜間中学校、夜間定時制高校、私立通信制の「子ども・若者たち」―

 会場 :立教大学池袋キャンパス 12号館第3・第4会議室

 時間 :18時半21

321日(金:祝)13時~17時 立教大学(予定)

 子どもの貧困対策・第3回連続セミナー

テーマ:検討中

427日(日)13時~17時 生活クラブ生協(予定)

 2回 子どもの貧困対策・自治体セミナー

5月下旬~6月上旬 時間・場所未定

 第2回「生かそう!子どもの貧困対策法」市民のつどい

(文責:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会)

 

 

========================================

★5.【コラム:ソーシャル・ジャスティス雑感】『生きづらさをぶっとばせ!』

                     (轟木洋子/SJF運営副委員長)

========================================

 2月10日、気鋭のドキュメンタリー映画監督、坂上香氏の最新作『トークバック 沈黙を破る女たち』の鑑賞イベントに参加した。

 この日ばかりは女性限定で、映画を観た後に監督と会場とでトークをするという内容だった。副題は『生きづらさをぶっとばせ!』。

 映画では、米国のHIV感染者の女性たちが演劇と出会い、自らのつらい過去を仲間たちに打ち明け、思いを演技にぶつけ、過去の体験と感染者であることを表現してカミングアウトしていく。

 彼女達は、劇団という自分を受け入れてくれて安心できる場所を得、そこで演劇を通して自分を成長させ、舞台に立って観客から共感の声と大きな拍手を得て自信と尊厳を取り戻していくのだ。

 ちょっと陳腐に聞こえるが、いわゆる「居場所と出番」はすべての人にとって必要なもの。彼女たちは、これを得ていったのだろうと思う。

 それにしても、映画の後の会場と監督とのやり取りで興味深かったのは、就活中の大学生が「ジェンダーを学んでいるというと、落されてしまう」というコメント。会場は笑いの渦だったが、実は笑いごとではない。企業は、期待する女像を演じない女性社員を怖れているのだろう。彼女が無事に良い就職先を見つけられることを願っている。

 映画は、3月22日から順次全国公開。もちろん、男性も是非どうぞ。http://talkbackoutloud.com

 

★ぜひSJFをご支援ください http://socialjustice.jp/p/shien/ 税金の控除がご利用できます★

 

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed
LINEで送る